体育祭編
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次の日の朝、携帯を片手に昨日の体育祭のニュースをぼんやりと見ていた。そこには意識を手放した後、かっちゃんと轟くんが取り合いをしている等、メディアやプロヒーローが私たちの関係をおもしろおかしく予想していた。
これか、昨日お茶子と梅雨ちゃんが言っていたのは。そして、私が直接見れなかった決勝戦の記事を探す。
エリカ「(もっと、体力をつけなきゃ……)」
そう決心して、携帯を置いた。
18.休め!振替休日
「勝己、起きたならエリカちゃんに電話でもしなさい!!」
スパンと音をたててぶん殴られる。
「人様のお嬢様に!勝負だから仕方ないけど!怪我とか大丈夫なのか様子見てきて!!!」
起きて携帯を手に取ると連絡取り合ったのはUSJ襲撃以来になる。前に電話した時は声を弾ませて嬉しいと言っていた。
また家に呼ぶか?その方がババアも落ち着くだろ。とりあえずあいつの家に向かいながら、住所は……入学前に見てソッコーで覚えた。オートロックもなんもねぇところ住みやがって……治安は大丈夫なのか?確認しねぇと……
爆豪「(電話出ねぇ)」
エリカ「ひゃー!外気持ちいいー!」
いつもなら個性使いすぎた次の日はお昼くらいまで眠っているけど、餅パーティの後すぐに眠ったエリカはとても元気だった。
轟「お、小桜」
エリカ「わっ、轟くん、偶然だね!」
こんな道端で会うなんて!
轟「体はもういいのか?」
エリカ「あの後餅パーティしてね、すぐ寝たらだいぶよくなった!轟くんは?」
轟「俺は……病院に行く」
病院……きっと……
エリカ「ごめん、いっちゃんとの話聞いちゃって……その……」
決勝戦、轟くんは炎を引っ込めたのを見てまだ悩んでるんだと思った。だから私は無責任に大丈夫なんて言えないし……言葉に詰まっていると、そうかとあっけなく返事をした轟くん
轟「俺は……清算しないといけない事があると思った。だから病院に行って、お母さんと話を……」
お母さんって煮え湯を浴びせたっていう……
それでも向き合う事を決めたんだね
エリカ「うまくいく事祈ってる」
轟「ありがとう」
エリカ「じゃあ私トレーニング行くね!次こそかっちゃんに勝つんだから!」
轟「ふっ、そうだな」
2km程走って帰路に着く。
ピンポーンとチャイムが鳴り、ドアを開けるとピキピキと額にシワがよってるもう1人の幼馴染がいた。
爆豪「〜っ、服着ろや!?」
エリカ「痛っ!?」
ここは私の家だし、風呂に入ろうとしていた所だったから……ねぇ!?すると隣の部屋がワイワイガヤガヤ賑わっていて、気づいたかっちゃんも視線を向けた。
エリカ「お茶子ん家、お父さんとお母さんが来てるみたい」
爆豪「………」
エリカ「あ、上がる?よね。どうぞ」
ぼんやり立ってる彼を不思議そうにみると、何やら納得した顔をしている。
爆豪「……丸顔か」
エリカ「言ったよね?」
うん、前に言ったよ。
聞いてなかったんかい。
エリカ「よく家わかったね」
爆豪「前に住所みただろ」
あれで覚えたのか、凄いな……
エリカ「今日はどうしたの?」
とりあえずキャミソールの上からワンピースを羽織って、髪をお団子にまとめる。
爆豪「ババアが……これ持ってけって」
エリカ「あ!!」
渡された袋に入ってたのはたくさんのおかず達で……
エリカ「嬉しいっ!ありがとう!!光己さんに電話するね」
何だかものすっごく謝られたけど、真剣勝負だったのだ。ほとんど治ってる事を伝えると安心してくれたようだった。
エリカ「私ご飯炊くね!かっちゃんも一緒に食べてく?」
爆豪「部屋が狭ぇ」
エリカ「かっちゃんのお家と一緒にしないで!」
もー!庶民の敵だ
エリカ「あ、お風呂入る?光熱費勿体ないし、一緒に入……」
爆豪「らねぇわ!俺が出すわその光熱費」
その顔体育祭のニュースでみたな。
表彰台乗ってたやつ
エリカ「ご飯炊ける間時間あるし、私お風呂入ってくるね!」
爆豪「は?」
エリカ「くつろいでくれていいからね!」
アイツ何考えてんだ
俺がいるのに風呂だぁ!?
なんでオメーはそんな普通なんだよ
こっちは初めてこの部屋に入って、そわそわしてバカみてェじゃねえか!クソッ……俺も寛ぎ倒したる!
爆豪「ん、何だコレ」
勉強机に置いてる大量の紙切れ……
ここだけ異様に汚ねえ
爆豪「げ……またかよ」
そういやクソ髪が言ってたな
「小桜さん、帰りスッゲーラブレター貰ってたぜ」
「噂ではファンクラブができたって…」
「それな!峰田、入ったらしいぜ。爆豪、オメーも……」
「入らねぇわ!!」
爆豪「(勝手にヘンなモン作ってんじゃねえぞモブ共!!)」
『♩』
……!携帯鳴って……LINEか?
爆豪「……!!」
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かっちゃんを待たせたのは悪いけど、走ったからシャワー浴びたくて。急いでタオルを取り体に巻くと、ガチャリと脱衣所のドアが開く音がした。
爆豪「………」
あれ、かっちゃんが入ってきて……
今、タオルしか巻いてない……一緒に入るか聞いたものの、まじまじ見られるとちょっと恥ずかしい
エリカ「かっちゃん……もお風呂入る?」
私の言葉を無視してスタスタとこちらに近づく彼の手が私の腕を掴んだ。
爆豪「傷ってどれだ?」
エリカ「傷……」
爆豪「昔できた傷」
エリカ「そ、れは……」
タオルを取らないと見せられない所にある
どうして幼馴染達はそんなにも傷を見たがるのか
エリカ「は、ずかしいよ……タオル取らないと見せられないから」
爆豪「……尻か」
エリカ「背中っ!肩甲骨の下の方っ」
もー、わかったなら着替えるから出て!と追い出すとまだ何か言いたげなかっちゃんは、オメーと続ける。
爆豪「いつの間に轟と連絡先交換したんだよ」
エリカ「さっき!」
爆豪「は?」
エリカ「っ!わっ!?」
手を引かれてかっちゃんに引き寄せられると、胸に顔をぶつけて背中に手を回される。
さわさわと撫でられるとくすぐったいので小さく笑っていると、タオルを下にずらされて……
エリカ「かっちゃ……?」
わわっ!ど、どうしようこのままじゃ全部見られ……!?
爆豪「(傷……これか)」
エリカ「あの……何して……?」
傷の辺りを撫でられいるけれど、その傷もう全っ然痛くないしさ?そんな気にしなくったって……
爆豪「この傷できた時、なんで俺に言わなかった」
エリカ「……だっていっちゃんの事責めるでしょう?」
あの頃からかっちゃんはみんなを引っ張っていて、強くて、かっこよくて……
エリカ「(今、なぜかこうなっちゃってるけど……それでも……)」
ため息が背中にかかって肩が上がる。
どうして私は脱衣所で、ほとんど裸のまま抱きしめられているんだろうか……
爆豪「轟と出かけたんか?」
エリカ「出かけてないよ?道で会ってね……」
お母さんと会いに行く、なんて私の口からは言えないけど……
爆豪「……紛らわしいんだわ」
エリカ「いてっ!」
盛大なデコピンの後、脱衣所を出ていくかっちゃんと入れ違いに聞こえる楽しそうなお茶子の声
エリカ「や、かっちゃん帰らないで……!」
そのまま慌てて着いて行けば、くわっと目を釣り上げ振り返ったかっちゃんの顔は真っ赤だった。
爆豪「帰らねぇわ!服着ろや!!」
それはごもっともだけどさ
エリカ「(脱衣所入ってきたのに……)」
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爆豪「おい、髪濡れてる」
エリカ「だって面倒だし……」
爆豪「風邪ひくだろうが!ドライヤー持ってこい」
エリカ「はーい」
着替えた後、かっちゃんに髪を乾かしてもらうと気持ちよくって睡魔が……
爆豪「寝ンな。おら、髪乾いた」
エリカ「ありがとう、ご飯よそうね」
『ピンポーン』
エリカ「セールスかな?」
爆豪「俺が出る」
エリカ「うわぁ助かる!」
私無視できないタイプで長くなるんだよねー。
わぁご飯美味しそう!いただきまーす!
切島「……よっ!」
爆豪「切島」
切島「お前んち行ったらここだって言うから!カラオケ行こうぜ!」
爆豪「行かねえ」
エリカ「わっ、切島君」
切島「お、小桜!制服じゃなくて新鮮……」
エリカ「え……?なに?切島くん」
みるみる顔が赤くなっていく切島くんに、私もどうすればいいのかわからない。
切島「(今思ったけど、幼馴染ってこんな自然に部屋で過ごすのかよ…!てか俺邪魔……だった?)」
爆豪「飯食うからちょっと待て」
切島「お、おう!」
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麗日「やっぱりバクゴーくんや。あ、切島くんもー」
エリカ「あ、お茶子!うるさかったかな?ごめんね」
麗日「それはいいんやけど……」
エリカ「?」
麗日「(幼馴染ってこんな自然に家呼ぶもんなん?体育祭のお姫様だっこもあるし……ウチはしてくれへんかったけどな……ええねん、屈辱やったからな、されてたらされてたでな)」
エリカ「お茶子……?顔が麗日ではないよ?」
爆豪「行くんだろ、はよしろ泣き虫」
エリカ「え!私も行っていいの!?」
切島「い、いいのか爆豪……俺邪魔じゃ……」
爆豪「こんな狭い部屋おったら気が狂うわ。テレビもねぇし」
エリカ「んなっ!携帯があるからいいのー!」
麗日「(狭い部屋……)」
この後、カラオケに出かけたけど、体育祭の影響かわらわらと人集りが出来て大変だった。
「エリカちゃーん!応援してるぜー!」
「可愛いー!顔小さーい!」
「爆豪くーん」
爆豪「うっせえ!!」
To be continued......
2018.11.06
2024.05.19