体育祭編
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飯田「みんなー!朝のHRが始まる!私語を慎んで席につけー!」
エリカ「…………」
瀬呂「ついてねぇのオメーだけだ」
飯田「くっ、しまった!」
麗日「どんまいっ!」
11.特訓開始
相澤「おはよう」
「「「(相澤先生復帰早ぇえ!)」」」
えーっと……ミイラ男みたいだけど、ツッコまないでおこう!
相澤「俺の安否はどうでもいい。何よりまだ戦いは終わってねえ」
爆豪「戦い?」
緑谷「まさか……」
峰田「まだヴィランがぁぁ!?」
相澤「雄英体育祭が迫ってる」
たたたた!体育祭ーーっ!?
「「「クソ学校っぽいのきたー!!」」」
切島「待て待て!」
耳郎「ヴィランに侵入されたばっかなのに体育祭なんかやって大丈夫なんですか?」
相澤「逆に開催する事で雄英の危機管理体制が盤石だと示すって考えらしい。警備も例年の5倍に強化するそうだ」
何より雄英の体育祭は私たちヒーローになる為の最大のチャンス。そして昔のオリンピックに代わり、日本のビッグイベントの1つになっている。ヴィランなんかで中止していいものじゃないのだ。
エリカ「(体育祭……!)」
切島「(後ろからスッゲー鼻歌聞こえてくる)」
相澤「時間は有限。プロに見込まれればその場で将来が開けるわけだ。年に1回、計3回だけのチャンス。ヒーロー志すなら絶対に外せないイベントだ。その気があるなら準備を怠るな!」
「「「はいっ!!」」」
昼休み、教室では体育祭の話題で盛り上がっていた。わかる!わかるよその気持ち!!
麗日「エリカ、デクくん、飯田くん…頑張ろうね体育祭」
お茶子、顔が怖いよ……
緑谷「顔がアレだよ麗日さん!!?」
うん、麗日じゃないよ……まぁ私もノリノリだけどさ!
爆豪「……おい、早くしろ」
あ、かっちゃん廊下で待たせてるんだった!
エリカ「今行……」
切島「俺もいい?飯」
エリカ「!!」
切島「……え?俺邪魔?やっぱそういう関係?」
これは……!これはこれはこれは!
かっちゃんに友達ができるチャンスだ!!
私、いない方がいい!!きっと!
エリカ「切島くん!!かっちゃんのこと宜しくね!!私、響香と食べるから!!響香ー!」
上鳴「俺も俺もー!爆豪行こうぜ!」
爆豪「…………」
響香を誘ったら、ヤオモモと梅雨ちゃんも一緒に食べようと言ってくれて女子会みたいで楽しいー!
耳郎「前から聞こうと思ってたんだけどさ」
エリカ「え、どうしたの?」
耳郎「2人って……付き合ってんの?」
響香の質問に慌てふためくヤオモモと反対に私も気になっていたわ、と梅雨ちゃん。
エリカ「え!そんな事ないよ!」
蛙吹「そうなの?仲が良いからてっきりそうだと思ったわ」
エリカ「ふふっ、違うよー」
八百万「では心置きなく戦えますわね」
そっか……予選突破したら、そういう事もあるんだね。
蛙吹「みんなは体育祭に向けて何かするの?」
体育祭に向けて……私も……!!
上鳴「……でさ、爆豪と小桜ってデキてんの?」
爆豪「ああ!?」
切島「オメー、命がけな事聞くなぁ!けど俺も聞きたい!」
爆豪「うるせぇ!んな暇あったら体育祭の心配でもしてろやモブ共」
上鳴「小桜良いよな!顔も可愛いし、元気だし」
切島「それなー!スタイル良いしなー!どんな奴がタイプなんだろなー?爆豪知らね?」
爆豪「知るか!」
上鳴「…………(なんか機嫌悪くなってね?)」
切島「(爆発さん太郎寸前だな)」
急に目キラキラさせてどっかに行きやがってあの泣き虫野郎……!!
上鳴「(話題変えるか!)小桜って能力も恵まれてるよな!」
切島「上鳴、話題変わってねーって。大して」
上鳴「うぉっマジだ」
爆豪「喧嘩売ってんなら他所行けや」
切島「売ってねぇし!その顔やめろって!」
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麗日「何ごとだぁ!?」
放課後、お茶子の声にビックリした私は周りを見回すと、見物人に度肝をぬかれた。え、なにこの転校生他のクラスみんなで見に来ました!みたいな?動物園で珍しい動物いますよ!みたいな?
峰田「出れねーじゃん!何しに来たんだよ」
それはこの教室から出れない程。え、ホントに動物いるの!?とキョロキョロしたけどやっぱり居なさそう。
爆豪「敵情視察だろザコ」
そんな中、かっちゃんはズコズコと入り口に向かっていく。あれ、今ザコって聞こえたよ!気のせい?
爆豪「ヴィランの襲撃に耐え抜いた連中だもんな。体育祭前に見ときてぇんだろ。そんな事したって意味ねぇからどけ、モブ共」
……じゃないね!
こんな状況でも冷静に分析していつも通りなかっちゃんに安心するけど、クラスのみんなは違うみたい。飯田くんがカクカクしてるー。
「噂のA組……どんなもんかと見に来たがずいぶん偉そうだなぁ」
とりあえず帰る準備をして……あれ?
「ヒーロー科に在籍する奴は皆こんななのかい?」
この声は……
爆豪「あぁ?」
「こういうの見ちゃうと幻滅するなぁ―。普通科とか他の科ってヒーロー科落ちたから入ったってやつけっこういるんだ知ってた?」
エリカ「(あ、やっぱり……!!あの入試の時の……!)」
「体育祭のリザルトによっちゃヒーロー科編入も検討してくれるんだって。その逆も然りらしいよ……」
心操くんだ……!!!
心操「敵情視察? 少なくとも俺は――調子乗ってっと足元ごっそり掬っちゃうぞっつー宣戦布告しに来たつもり」
「「「(この人も大胆不敵だな)」」」
エリカ「心操く……」
「おうおう!隣のB組のもんだがよう!ヴィランと戦ったっつーから話聞こうと思ったんだけど、えらく調子づいちゃってんなオイ!本番で恥ずかしいことになんぞ!」
うおっ、わちゃわちゃしてる……!
切島「待てこらどうしてくれんだ!おめーのせいでヘイト集まりまくってんじゃねぇか!」
爆豪「……関係ねぇよ」
切島「はぁ―?」
爆豪「上にあがりゃ関係ねぇ」
エリカ「!!」
かっちゃんは人ごみをかき分けて教室から出てってしまう。
心操「あ、アンタは……」
エリカ「かっちゃん!」
私は後をついて行った。
エリカ「かっちゃん、待って!」
緑谷「エリカさん?」
轟「……?」
人ごみをかき分けてかっちゃんの元へと走る。
爆豪「んだよ」
あ、やっぱり昼から機嫌悪い。
でも言わないと……これだけは!
エリカ「私、かっちゃんにだって勝つつもりでやるから!」
今まで守ってもらったりしたけど、私だって救うヒーローになるんだ。だから……だから……!
エリカ「勝つ……から」
大きく目を見開いて。やってみろと言わんばかりな顔に、私の口角も上がった。
耳郎「言うねー、エリカ」
鞄を取りに教室に戻る。
エリカ「もちろんみんなにだって負けないから!」
切島「そういうの俺好き!」
飯田「勿論勝つぞ!」
麗日「私も頑張るー!」
峰田「敷居上げてどうするんだよー」
エリカ「じゃ!私帰って特訓するから!」
体育祭まであと2週間。宣言したからには、後はやるしかないのだ……!!
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エリカ「ハァ……ハァ……ハァ」
私の課題……やっぱり体力がないと瞬間移動多用して眠ってしまう。この砂の上を走るトレーニングはうってつけだ。
夜の海ってのがちょっと怖いけど……
あ、あれ?向こうから走ってくるのって
エリカ「いっちゃん?」
緑谷「わあ!エリカさん!?」
エリカ「奇遇だね。いっちゃんもトレーニング?」
緑谷「う、うん!頑張らないとって思ってさ」
エリカ「ふふっ、じゃあよかったら一緒に走らない?私いっちゃんと話したいなって思ってたの」
緑谷「僕も話したかったんだ。エリカさんの転校先の話とか、色々聞きたいと思って!いいかな?」
エリカ「もちろん!」
わぁ、久々にいっちゃんとゆっくり話せるなんて素敵なランニングになりそうだなぁ。
緑谷「へぇ、友達に士傑高校の人がいるんだ」
私は転校してからの事を順番に話していた。親友の風花も無事に士傑高校に合格して学校生活に慣れてきたみたい。
そして恐らく個性でこの町まで飛んで来た事を話すと驚愕していた。その後かっちゃんと出会って家にお邪魔した事も……
エリカ「それでね、かっちゃんに雄英に来いって言われて決心がついたの」
緑谷「僕は雄英受けるなって言われた……」
エリカ「ふふっ、かっちゃん誰にも負けたくないんだね。ほら、小さい時もよく喧嘩挑んでたし」
私も負けず嫌いで、かっちゃんと初めて出会った時も取っ組み合いの喧嘩したっけ……年上の男の子にも喧嘩挑んで、返り討ちにされて泣いていた。
俺が仇とってやる!って2人して挑んだのも懐かしい。
緑谷「そうだね。かっちゃん何でも出来て……一緒に居れば僕もそんな気がしたんだ。」
エリカ「……うん。……でも料理まで上手くなくたっていいのに」
緑谷「(料理?あのかっちゃんが……料理!?)」
エリカ「いつか……3人でご飯とか行けたらいいね!」
緑谷「う……うん!」
エリカ「ふふっ、暗くなってきたし私は帰ろうかな!」
緑谷「危ないから送ってくよ!」
エリカ「……ありがとう。じゃあこのまま走って帰ろっか」
その時を楽しみに、私は2人を見守るだけだ。
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次の日の朝は、少し早くに目覚めて学校に向かった。
「小桜、だっけ?」
エリカ「あ、心操くん!おはよう」
昨日見かけてビックリしたけど、雄英に来てたんだね。
心操「羨ましいよ、小桜の個性」
エリカ「……え?」
羨ましい……そう言ったのかな?
振り返ると心操くんの後ろに見慣れた人影が。
爆豪「テメー、昨日の……」
あ、何だか雲行きが怪しい……!
エリカ「かっちゃん!おはよう!!私!勉強教えて欲しいところがあるんだよねっ!」
爆豪「あぁ?んなもん自分で……、おいその傷どうした?」
エリカ「傷……?」
爆豪「頬」
エリカ「あー、これは昨日帰り道で転んで……」
スタスタと前を歩くかっちゃんが、小さく気ぃつけろと言ったのは聞き逃さなかった。
To be continued......
2018.10.10