入学編
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エリカ「わぁ、久しぶりだ!」
「エリカ?行くわよ」
エリカ「はーい」
4.下見
エリカ「わぁ、素敵!」
6畳でキッチンも2畳、トイレ風呂付のマンション。
決して裕福な家庭というわけではないからオートロックなんて贅沢はいらないんだけど、母が心配だからお金切り詰めて……と、ブツブツと言ってる。
エリカ「私、大丈夫だよ」
ヒーローになるんだから。
自分の身は自分で守りたいの。
そう伝えるとわかったと言ってくれた。後ろから涙を啜る音がしたけど振り向くのはやめた。
エリカ「お母さん、私……まだ合格してないけどな」
「ははっ、そうやな」
エリカ「まぁ……絶対合格するけど」
「……そうやな」
この後、無事に(?)仮契約して外に出る。すると母も携帯を片手に浮かれている。まるで少女のように。見たくないといえば……うん、見たくない。
「じゃあお母さん、久しぶりに少しだけ光己さんと会ってくるからじゃあねー!」
力なくヒラヒラと手を振って見送り、私も携帯を手に取る。
エリカ「もしもしかっちゃん?終わったよ、今どこに……」
『後ろ』
……あ。
エリカ「お待たせ。わー、かっちゃんまた背伸びた?」
爆豪「縮みゃしねーだろ」
そうだけども!
爆豪「オメーはなんつーか……ふくよかになったよな」
エリカ「ふくよか!?」
確かに最近2kg太ったけど(正月で)
そんな風に見えるかなぁとスカートから覗く足を確認する。
エリカ「ってあれ?」
そんな私をさておきスタスタと行ってしまう。あぁもうかっちゃんらしい。
「ねぇ、君可愛いね!高校生?どこか行くの?」
エリカ「え、あ、あの…………後ろ……」
「後ろ?」
爆豪「……去れ」
「ひいっ」
エリカ「…………」
かっちゃんのその顔は
ヒーローに向かない……と思う。
爆豪「ボサッとしてんじゃねえ!!"個性"使えや!宝の持ち腐れか!?あぁ!?」
かっちゃんの顔を見て、人はそこまで目が吊り上げられるのか。と感心すらしてしまった。
エリカ「かっちゃん、顔怖いよ」
ついでに街中では使っちゃダメだよと言おうとしたけれど、顔が怖いのでやめた。
爆豪「テメェのせいだろが!泣き虫!」
私のせいなのか……!!
爆豪「離れんな」
エリカ「……はい、すみませんでした」
勝手に行ったのかっちゃんなのに。
ガキ大将の所はちっとも変わってないなぁ
爆豪「ンだよ」
エリカ「何にもないです」
爆豪「ニヤニヤすんなや!」
エリカ「してませーん」
舌打ちをして歩きだす。
さっきよりもペースが落ちてる所も憎めないんだよね。
エリカ「ふふっ」
爆豪「笑うな!!」
エリカ「へへへっ」
爆豪「ブッ飛ばすぞテメェ」
ぶっ飛ばされたら大声でヒーロー呼ぼっと!
エリカ「あ、ねぇかっちゃんどこに向かって歩いてるの?」
ずいずいと迷いなく歩くかっちゃんに
行き先の相談はしてないはずだけど……??
爆豪「…………アイス、食いてえんだろ」
エリカ「!!」
思わぬ布石に立ち止まってしまった。
怪訝そうにこっちをみるかっちゃんは、全身ではよ来いと訴えてる。
私はまたこの後、怒られる事になりそうだけど……顔の緩みが抑えられないでいた。
エリカ「お、い、し、いー!!」
爆豪「そーかよ」
まさかかっちゃんがこんなにお洒落なお店につれてきてくれるなんて!
アイスがクルクルになってるし、カラフルだし可愛いし美味しい!!
かっちゃんも食べなくてよかったの?と聞くと、いらんわ!って睨まれた。
美味しいのに……
爆豪「個性、使えるようになったかよ」
雄英は筆記テストだけじゃなく実技テストもある。それはもちろん知っていた。
エリカ「うん。あの日から勉強の合間にやってるんだけど、口に当てる指の数で距離が違うみたい」
エリカの個性
口に指をあてると瞬間移動ができる。
指を1本あてると近距離1m
2本で10m、3本で100m、4本からは怖くて試してないらしい。
お目当ての場所に行こうとすると、3本以上はかなりの集中力を要するみたいで、指3本、4回やった所で眠ってしまった。
指4本も近々試してみるとの事。
エリカ「指1本は50回くらいテレポートしても大丈夫だった!行きたい場所想像して移動するのはかなり頭痛くなるけどね!」
エリカの話を頬杖つきながら聞いていた爆豪。
爆豪「(いい個性なのに馬鹿なとこが腹立つ…!)」
エリカ「かっちゃんの個性は?」
エリカの言葉に手を出しBOOMと小さく爆破させた。
わあ!凄いと目を輝かせた。
まぁなと満更でもない爆豪の表情にふふふと笑っていた。
爆破の威力は変えられるとの事で、先日のラブレターの件も納得だ。
エリカ「あ、そういえばいっちゃんは?会ったりしてる?」
爆豪「ああ!?」
エリカ「(あれ、何か気に触る事でも言っただろうか……)」
いっちゃん……緑谷出久君もエリカの幼馴染だ。
途端に変わる爆豪の表情に何かあったのかと口を結んだ。
爆豪「デクは……"無個性"だ」
エリカ「無個性……珍しいね」
約2割くらいの人が無個性だけど、私の学校でも1学年に1人いるかどうか。
ちなみに友達に無個性の子はいない。
あんなにオールマイトに……ヒーローに憧れていたのにと思うと胸がいたいな……。
というかデクっていっちゃんのあだ名だろうか?それに、名前出してからの機嫌の悪さに周りの目も気になる所だ。
アイス屋さんでこんな顔怖い人いない。
……よし、話題を変えよう!
エリカ「あ、そうだ!これ新しい家の住所と間取りっ!遊びに来てもいいよ」
用紙をすくい取り、目を通すかっちゃん。
爆豪「狭えな」
エリカ「かっちゃんのお家と一緒にしないで!私には充分なのっ。広かったら光熱費とかもかかるし……下宿だけでも有難い事なのー!」
はぁはぁはぁと息切れする程反論する。うるせえ、と一喝され周りを見ると真冬のアイス屋にお客さんは少ないけど、かなり注目を浴びてる事はわかった。
いや、だって光熱費が、ねえ?
爆豪「出るぞ」
エリカ「うう……寒い」
爆豪「真冬にアイス食いたいとか言うからだろーが」
エリカ「アイスは年中無休で美味しいんだよ」
アイスに罪はない。
お店を出てキョロキョロしていると何とも可愛らしい物があって、私の足は自然にそこに向かっていた。
エリカ「可愛い……」
爆豪「離れんなつったろーが!」
エリカ「欲しいなぁ」
お店の前にあるUFOキャッチャー。
あのウサギのぬいぐるみが欲しくて仕方ない。
爆豪「無視すんな!」
エリカ「うん、決めた!この子にしよう!」
爆豪「俺の話聞けや!」
私は200円入れて枕サイズのウサギを狙いにかかる。
『ウィィーン』
『ガシャ』
『ウィィーン』
……あ、落ちちゃった。
爆豪「何してんだ」
エリカ「んーもうちょいやねんけどなぁー……」
爆豪「貸せ」
エリカ「え!」
見兼ねたのか私を押しのけてウサギを睨みつけるかっちゃん。
いや怖いよ絶対中のウサギさんもびっくりしてるよ……!
爆豪「ここだろ」
『バシッ』
エリカ「え……?」
決定ボタンを押して、バーが下がっていく。外れた、と思ったのにウサギは宙に浮いていて……
わ!タグ!?タグ狙ってたんか!!
エリカ「えー!すごいすごい!かっちゃんすごいー!!!」
私はウサギさんを抱きしめた。
わー!ふわふわで可愛い……!
かっちゃんはこんなもん余裕だろとか言ってるけど、400円でとれたのは凄すぎる!!
エリカ「えっと、貰っていいの?」
爆豪「俺はいらねぇ」
エリカ「ありがとう。1人暮らしでもこの子がいたら寂しくないね」
爆豪「…………」
エリカ「ふふっ、名前どうしようかなあ……かっちゃんがくれたから『きーちゃん』にしよう!」
爆豪「勝手に俺の名前入れてんじゃねえよ」
エリカ「きーちゃん、よろしくね」
舌打ちをするも、かっちゃんは何も言ってこなかった。偶然にもきーちゃんは月のネックレスをしていてそこもお気に入り。可愛い、可愛すぎる!
爆豪「行くぞ」
エリカ「どこへ?」
爆豪「激辛料理食いに行く」
エリカ「…………え」
それはもう今までの甘さが全部吹っ飛ぶ強烈な味で……
私は今日2回目のアイスをねだるのだった。
エリカ「一口貰っただけでこれってどうなん!?痛い、口が燃えてる……」
爆豪「まぁまぁだったな」
エリカ「!?」
To be continued......
2018.09.30