入学編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
世界総人口の約8割が何らかの
"得異体質"である超人社会となった現在
混乱渦巻くこの世界で
1つの職業が脚光を浴びていた
1.再会
中学3年生に上がって新しいクラスに新しい先生。
私は無事に親友の鈴木風花ちゃんと同じクラスになれてこの1年がとても楽しみだ。
クラスメイトは配られてきた進路の紙に盛り上がっていた。
風花「エリカ、進路の紙書いた?」
エリカ「…………」
風花「え、エリカ?」
……と言ってもクラスのほとんどがヒーロー科志望なんだけど。
エリカ「ヒーローといえば……雄英、かな?」
風花「雄英!?雄英って学力偏差値79、入試倍率300倍と言われる桁外れの難関の!?!?」
友達の手からプリントがするすると落ちていく。
まぁエリカは良い個性やしなうんうんと何かぶつぶつ言っている。
風花「エリカ、一言だけ言っとくわ」
エリカ「え、何?」
風花「数学3点じゃ受からんと思う」
今度は私の手からプリントが落ちていった。そういえば模試テストの判定はEだった気がする……!
鞄に入ってるそれを確認するけど、うん、Eだよ間違いない。
風花「……せやけど、士傑高校には行かんねんな?東の雄英、西の士傑っていうやん?オールマイトに憧れて行く人はおるみたいやけどな」
エリカ「オールマイト……」
「おれ、おとなになったらぜったいヒーローになる!」
「わたしだってヒーローになるもん!」
「おまえみたいな泣き虫がヒーローになれるかよ!」
「なるもん!!かっちゃんのいばりんぼ!!」
「うるせえ!なきむしエリカ!!」
「かっちゃん、エリカちゃんケンカはやめてよ~」
オールマイトと聞くと、あの2人を思い出す。
風花「そういえばエリカは昔そっちに住んでたんやっけ?何か思い入れでも?」
さすが親友。スルドイ。
エリカ「思い入れ……」
「かっちゃんかっちゃん!ナンバーワンヒーローになるならさ……」
「ああ?」
「わたし、かっちゃんのおよめさんになる!」
あ、なんかえらい事思い出してしまった。
エリカ「風花、10年前の子どもの時の約束って時効やんな?」
風花「……?」
エリカ「わぁ、綺麗な夕暮れ」
部活が終わってトボトボ帰る。
携帯をみると今日もオールマイトが大活躍してる記事が上がっていて、あの2人もこの記事見てるんやろかと考えてたらあっという間に家に着いた。
ただいまー、と家に着くとテレビに懐かしい場所が映っていて慌てて駆け寄った。
エリカ「この商店街……」
確か4歳になる前居た場所……!!
懐かしい……けど!
え、何これ、人がめっちゃ集ってる。
どういう事!?
もしかしてヴィラン!?
するとテレビが映した人物に驚愕する。
エリカ「え……!!」
今、一瞬しか見えなかったけど、ヘドロみたいなのに取り込まれてる男子が……
エリカ「あ!携帯!」
オールマイトが倒したのを確認して、携帯で調べる。
ヘドロ 事件 オールマイトとかでいいかな!?
通信混雑してて中々繋がらない……!早く!!
エリカ「爆豪、勝己……」
そこからの私はあまり覚えていない。
気がつくとあの事件のあった商店街に居て……まばらに人が散り始める。
どうしてここに?なんて考える余裕もなく、私はかっちゃんを探していた。
商店街いないとなると……
って!10年ぶりの故郷は変わっていて、かっちゃんの家の方角もわからない。
それにこの10年で背だって伸びたし、かっちゃんだって……
「クソナードが!!」
エリカ「え……」
聞こえた声に動悸が収まらない。
すっかり変わってしまったけれど
私はあの人を間違えないと思う。
エリカ「かっちゃん……」
背丈も大きくなって、声もすっかり変わってる。
そりゃ来年高校生だもんね。
私もかっちゃんからすると変わったのかな?
なんて考えてると、みるみる内にかっちゃんの顔が変わっていく。
爆豪「泣き虫…」
エリカ「う、その呼び方……」
感動の再会が台無しや
小さい頃、かっちゃんはやれば何でもできるタイプで、所謂ガキ大将。
虫を投げつけられたり、泥だらけにされたりで私はよく泣いていた。
エリカ「変わってないね、かっちゃん」
爆豪「おめーは変わりすぎだろ……。てか、急に姿現しやがって!!バカかお前は!!」
思わず一緒に連れてきた学校の鞄の中に入ってる模試の結果でも見られたんかと思ったけど……
うん、大丈夫。
ちゃんと中に入ってる!
爆豪「その制服なんだよ!つかなんで裸足なんだよ!!」
かっちゃんの言葉に下をみると靴下も履いてなくて、意識すると急に足が痛くなってきた。
エリカ「テレビで見て……居ても立っても居られなくて、飛んできちゃったみたい」
爆豪「はぁ!?」
うん、たぶんだけど個性の仕業だ……
あれ?かっちゃんともっと話したいのに、凄く眠たくて……
爆豪「!!」
目の前の泣き虫が倒れていくのが見えて手を伸ばす。
こういう時はやけにスローモーションに見えるが、俺は柄もなく焦っていた。
10年前、突然引越した泣き虫。
今度は突然目の前に現れてわけわかんねえ!
爆豪「……マジで寝てやがる」
通行人もよそよそしく、時に「若いって良いわね」なんて言われて……この空気に耐えられねえ!クソッ!!
起きたら頭ど突いてやる。
爆豪「…………」
それにしても、こいつの髪サラサラしてくすぐってえな
甘い匂いは昔から変わらねえが、背は俺の方が断然高くて、細くて……
爆豪「……柔らけえ」
って俺は何考えてんだ!!!
エリカ「…………かっちゃん」
爆豪「ンだよ泣き虫」
エリカ「へへへっ…」
かっちゃんの肩に顔を疼くめると、どことなく懐かしい匂いがして安心した。
爆豪「ヘラヘラ笑うんじゃねえ!訳を言え訳を!!」
エリカ「はっ!」
爆豪「痛っ!!」
勢いよく顔を上げたらかっちゃんの顎に私の頭が激突した。
痛い……めっちゃ睨まれとる。
いや、それよりも!
エリカ「どうやって帰ろう」
爆豪「は?」
To be continued......
2018.09.25
1/5ページ