忍足「なんていうた？今」



恵利華「気に入ってる……官房長官が……？真由美を……？」



忍足「……は？」



芥川「（顔こわ……）仮にもメイソン・スミスさん、だっけ？婚約してる身の子を誘拐ってヤバくない？」



恵利華「ええ、彼は世界的にも有名だし……ニュースになったから知ってる筈だけど……（官房長官がなぜ事前にこの状況を……？）」



忍足「雲行き怪しないか？この勝負の事知れ渡ってるとしか……」



恵利華「うん……」








「だりゃぁぁあああ！！」



「「「え？」」」



「Was soll diese Aufregung! ?」
（何だこの騒ぎは！？）



窓の外から聞こえてる雄叫びに目を丸くする一同



芥川「……和恵ちゃん？」



恵利華「え？」



忍足！恵利華ちゃん頼んだ！そう叫ぶ芥川に迷いはなかった。



忍足「自分、ええもん持ってるやん。5人くらい瞬殺やん」



恐らくラケットの事を言っているのだが、恵利華は一向に使おうとしない。



恵利華「間合いが足りなくて」



忍足「自分ほんまマイペースやなぁ」



それにさっきの声が気になるし……と入り口を見つめていて、とても戦力になりそうにない。



忍足「姫さん、俺の勇姿真由美ちゃんに伝えてくれるか？」



恵利華「私も参戦した方が？」



忍足「自分格闘技とかやってた？」



恵利華「真由美が居たから……」



忍足「真由美！？」



まさかあの温厚そうな真由美が格闘技を！？目を丸くする忍足に驚いて、申し訳なさそうに視線を逸らす恵利華



恵利華「声をかけられたら真由美が凄い顔で追い返してたから……」



忍足「俺、姫さんに勝てるやろか……」



恵利華「勝てない人に真由美を任せるつもりはない」



忍足「せやな……、ここで姫さん守らないと真由美に顔向けできんわ」