7.来訪
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「ぼっちゃま、こちらを……」
7.来訪
跡部「…………」
跡部景吾は自室で1枚の紙と睨み合っていた。そこには突然登校しなくなった結城桃について様々な事が書かれている。
出生、住所、経歴、親の職、その他繋がり等……
横に置かれたノンアルコールシャンパンは水滴が落ちていき、隣に置いてた答辞の用紙が少し濡れていた。
跡部「……やはりな」
そう呟いた跡部の表情は、どこか納得をしたようだった。
翌朝、結城のクラスに顔を出すがやはり来ていないという返答だ。
卒業式ともあって、胸に刺さった花が微かに揺れている。窓際にいた忍足が不思議に思って席を立った。
忍足「なんや跡部、どないしたん?」
跡部「卒業式が終わったらテニス部全員を集めろ」
忍足「……何かわかったんやな」
跡部「あぁ。もう、大丈夫だ」
その言葉を聞いて安心したわと席に戻る忍足は空を見上げて呟いた。
忍足「会いたいな……真由美」
クラスメイトが数人振り向いても全く気にもとめていない忍足は、何だか笑っているようにも見える。
それを綺麗だな、変わらないなと見守るクラスメイトの表情も明るい。
「(忍足くん、幸せそうだな……)」
「(きっとあの人の事思ってるのね……)」
向日「侑士、そろそろ……って……」
忍足「……ん?何や岳人」
向日「いや、恋する顔になったな!」
忍足「俺は乙女か」
向日「(真由美もそうやって侑士を見てたなって……)」
忍足「なんやニヤニヤして」
向日「べーつに。侑士、3年間ありがとな!」
忍足「いや、これからも宜しく、やろ」
向日「ゆ、侑士……!!」
忍足「泣くん早いな」
向日「今頃奈央は最速で泣いてるぜ」
忍足「せやな」