2.秋空
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跡部「は?恵利華の話が聞きたい?」
引き継ぎの為に訪れた生徒会室で、ソファーにかけコーヒーを飲んでいた所に現れたこの女
結城「そう!恵利華さんの話っ」
突然何を言い出したかと思えば、恵利華の話が聞きたいと……わけがわからねえ。
跡部「テメーに話してどうなる」
結城「だって聞きたいでしょ?自分にそっくりな人の話って気になるし」
当たり前にソファーにかけるコイツに、未だに強く言えないのはやはり容姿のせいだろう。
いつも通りモヤモヤしながらも話を聞いちまう。
結城「ほら、跡部くんも想像してみて?自分と同じ人がもう1人……」
跡部「……気味が悪ぃな」
結城「あははは!って酷くない!?」
恵利華は大口開けて笑ったりはしねぇ。もっと上品に……立ち居振る舞いも綺麗だ。この俺様が見惚れる程に。
それくらい言ってやろうかと思ったが、面倒だからヤメだ。俺だけが知っていればそれでいい。
結城「跡部くんも私の事、気味が悪いって思ってる?」
跡部「テメェに興味はねぇ」
結城「でも、この顔には興味あるんでしょ?」
この女、バカだが図星をついてきやがる。俺の強く言い切れねぇのは恐らくそこだ。クソッ、見抜かれるというのは気持ちいいもんじゃねえ……なんてテニスの奴らには言えたモンじゃねえがな。
結城「じゃあこの顔のあたしとキスする?」
ぎしり、とソファーが揺れる
コーヒーを持つ手が僅かに震えた
跡部「……しねえ」
結城「どうして?そっくりなんでしょ?」
ほら、と目の前で瞳を閉じるコイツに頭を抱える。今すぐ出て行けと他の奴なら迷わず言うだろう。これでは恵利華の顔が好きだと言ってるようなモンじゃねぇか。情けねぇ
跡部「お前とキスすれば、最後にした恵利華とのキスの感触が消えちまうだろーが」
結城「…………そっか」
この顔は見たことがある。
初めて出会った時、身寄りも何もねぇ時に見せた顔だ。
結城「そうだよね。あたしじゃ、ダメだよね……」
静かに閉まってくドアをぼんやりと見つめていた。胸が痛むのは気のせいだと強く言い聞かせて