2.秋空
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向日「やっぱ既読つかね?」
携帯を手にする宍戸に声をかける。
気だるそうにあぁと答えた彼は携帯を見つめたまま動かない。
つい先日だったのだ。
先日までは奈央と連絡を取り合い、お互いの情報交換をしていた。
急に断たれると途端にどうすればいいのかわからない。それがちっぽけだと感じていた。
向日「俺らも行ってみるか?白学」
宍戸「……!!」
ネットには情報が何もない。
しかし情報通の柳や乾、そして跡部財閥はもちろん、榊まで巻き込んで住所や大体の情報は手に入れた。
宍戸「奈央には心配すんなって言われたんだ。けどよ……学校に閉じ込めてるって何だよ!アイツら今まで俺らにどんだけの事してくれたと思ってんだ!」
向日「亮……」
宍戸「礼くらい……直接言わせろよ……」
そうだな、と力なく返事をする。
空を見上げると雲ひとつない青空が広がっていて、その景色も奈央を思い出させるのだろう。
向日「和恵のさ、お茶のCMみた?スゲー猫かぶってるし、あぁしてるとマジ美少女だよな!面白いから1回見てみろって!」
宍戸「おー……」
向日「それにしても和恵は結構テレビ出てるよな!恵利華もたまに出てるけど、モデル……ではねぇよな?」
宍戸「おー……?」
向日「なんだよその声は……あ、あれは、侑士?」
屋上から見える、校舎から出てきた忍足に気付き視線を向ける。
すると後ろから女の子も付いてくるから何となく察してしまう。
「あの……好きです。付き合ってください」
忍足「……好きな子おるねん。堪忍な。」
「好きな子って、真由美さんですか?」
忍足「本人に1番に伝えたいんや。だから俺の口からは言われへんわ」
ガシャンと屋上のフェンスが鳴った。
向日「……早く帰って来いよ、真由美」