恵利華「……いくよ？」



真由美「うん…」



すうっとトスを上げた恵利華。



向日「あいつら何を……」



忍足「俺のラケット…」



跡部「…………。」



恵利華「………はぁぁあ！」



『パコンッ』



跡部「なっ…！」



芥川「めちゃくちゃ速いＣ～」



真由美「ほんと…えげつないサー…ブッ！！」



『バシュッ』



向日「拾った！？」



宍戸「長太郎、今の打球見えたか？」



鳳「い…いえ」



『パァァン』



『バシュ』



『パコンッ』



「「…………。」」



奈央「…ウチらの学校は関西にある」



恵利華と真由美のラリーを見ながら、奈央が口を開いた。



忍足「関西…」



和恵「寝る前まではあっちに居たんよ。…うちだって信じられんよ。起きたらここに居たんだもん！」



向日「なら…関西に帰ったらいいじゃねーか」



和恵「帰れんよ」



芥川「…なんで……？」



和恵「………。」



奈央「もしじゃよ？自分が…っ…」



跡部「…………。」



奈央「もし自分達が……読んでる漫画のキャラクター達が目の前に居たら…誰だって焦るじゃろ！？どうすればいいかわからんじゃろ！？」



「「……え…」」






向日「ど…どういう事だよ！？」



忍足「俺達が……漫画のキャラクターやて？」



奈央「あ……」



和恵「………。」



『パァァン』



『バシュッ』



真由美「……あ」



恵利華「ふふっ、やーっぱテニスは楽しいな」



真由美「ﾊｧ……ﾊｧ…そうだねっ……あれ？どしたの～？この雰囲気」



恵利華「さぁ…？」



奈央/和恵「真由美～」」



真由美「なんで真由美だけ！？」



榊「お前達……」



恵利華「…？」



榊「いい加減にしないか」



「「！」」



榊「お前達は教室に戻れ」



跡部「………。」



忍足「跡部、行くで」



真由美「…っ…」



真由美は、忍足がまだ自分達の誰とも目を合わせない事に気がついた。







真由美「（もしかして…真由美達が知ってる彼らより…本当は遠いかもしれないな）」



向日「ジロー、戻るぞ」



芥川「………。」



向日「……いくぞ、ジロー！」



芥川「…………。」



向日「じーろぉお！」



和恵「（なんだ……？）」



奈央「……？」



芥川「いーじゃん、別に」



向日「……え？」



和恵「……？」



芥川「俺達が…キャラクターでも、今…生きてるんだから」



恵利華「あ……」



榊「………芥川…」



芥川「だって彼女達、嘘ついてるように見えないＣ～」



「「……！！」」