10.目覚める氷帝・地区予選
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恵利華「試合…久しぶりだな。」
ん~ッと背伸びをする恵利華。
白いワンピースがヒラヒラと揺れた。
「恵利華さんだ!」
「「「恵利華ちゃぁぁあん!!!!」」」
声援に気が付き、ニッコリと微笑む恵利華。
その瞬間、会場が声援で揺れた。
鳳「恵利華先輩の人気は凄いですね」
向日「あいつ…姫って呼ばれてるもんな」
日吉「フンッ」
大きな瞳、小さな顔と中学生とは思えない色気をも漂わせるスタイル。
恵利華は女の子が憧れる要素を充分に兼ね備えていた。
跡部「アーン?俺様を忘れてるんじゃねーだろーな」
そこに跡部が並ぶと、またまた会場が声援で揺れる。
恵利華「跡部くん、上着着たままやるの?」
きょとんとした顔で跡部を見上げた。
すると腕を高らかに上げて音を鳴らすと同じに上着を放り投げた。
恵利華「……あれ?」
着ていた服に不思議そうな恵利華。
たまらず真由美と奈央が叫んだ。
真由美/奈央「お揃い!?」
それは昨日の話に遡る。
昨日、恵利華の元に綺麗な箱が届き、その中にこの白いワンピースが入っていた。
恵利華はそのワンピースを気に入り、ダブルス初試合の今日に着ていたのだ。
そして跡部は対照的に黒のユニホームを着ていて、2つのユニホームの共通点であるゴールド線が光る。
跡部「ショータイムの始まりだ!」
「「「キャー!!跡部様ぁぁあ」」」
恵利華「ふふっ、楽しそうだね、跡部くん」
恵利華が横に並ぶと、再び大歓声が沸き起こった。
奈央「………」
真由美「あはは…」
そして試合は…
奈央「ありえんけぇ…試合時間より、パフォーマンスの時間の方が長いなんて…」
真由美「恵利華、お疲れ様っ!」
1ポイントも落とす事なく、勝利を収めた。
真由美「なんか…みんな圧勝だね」
ラケットを手に取り、コートに向かう。
「真由美ちゃんだ!」
「「「真由美ちゃぁぁあん」」」
真由美「………。」
向日「お…おい、真由美のやつ…」
日吉「感情、なくしてますね」
跡部「……いや」
忍足「ほな俺らも行くで、天ちゃん」
真由美「アイアイサー!」
「「「え!?笑った!?」」」
宍戸「…真由美のやつ冷酷非情のテニスじゃなかったのか?」
奈央「真由美はダブルスでなら大丈夫!」
恵利華「あれは集中してただけだよ」
向日「シングルスだけ冷酷非情…?」
日吉「変ですね」
真由美「変って言うなぁ!!」
『パァァン』
真由美「……あ」
恵利華/奈央「………。」
鮮やかにポイントを取られた真由美。
「真由美ちゃん可愛い!」
「今の最高ーっ」
「エンジェル!!『ドンドン』エンジェル!!『ドンドン』」
エンジェル隊の声援が響き渡る。
忍足「ポイント取られたんやけど(何で応援?)」
真由美「ご、ごめんなさい!」
忍足「いや、天ちゃんのせいやないから…」
真由美「うう(こうなったら…)」
ラケットを強く握る真由美。
何かを決意したようだ。
『パァァン』
忍足「(あないに深いリターン…)『タタタタ…』!?」
深いリターンを打ったと思えば、すかさずポーチについた真由美。
忍足「(なる程な。この子、上手いだけやない。…ごっつやり易いわ)」
『パァァン』
『パァァン』
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『ゲームセットウォンバイ忍足ペア。ゲームカウント6-0』
真由美「ふぃー!」
汗を拭う真由美に会場内の視線は釘付けである。
「あれが…いつもまったりしてる真由美ちゃん…?」
「凄いな。カッコイイ!」
真由美「お疲れ様、忍足くん!」
ニコニコと微笑む真由美に、忍足は何かに気付いた。
忍足「(天ちゃんて、ほんまにテニスが好きなんやな…)」
真由美「忍足くん?」
忍足「いや、何でもあらへん。お疲れ様」