「奈央ちゃんの誘いを断るなんてありえない」

「ほんとだよな！俺が奈央と組むぜ！」

「いや、俺が……」



奈央「ミッチーに真……」



恵利華「……奈央のお友達？」



真由美「う…うん(ただのクラスメイトだけどね)」



すると恵利華がみんなの前に歩み寄る。



恵利華「皆さん、これからも奈央を宜しくお願いします！」



「｢｢……〜っ、、｣｣」



恵利華の言葉に…



和恵「はい、恵利華！人混みになる前に教室戻ろうね～」



恵利華「え～？」



忍足「姫さん、教室帰るで。部活の準備しなな」



恵利華「早く戻りましょ」



和恵「あ、恵利華、うち部活休……」



恵利華「え？」



『タタタタタタ…』



真由美「A組…賑やかそうだね」



奈央「それにしても、和恵が休む理由聞いちょる？」



真由美「い…いや、聞いてない。」



奈央「(怪しいけぇ…)」




こうして放課後になった。








「お前さん、氷帝で小悪魔って呼ばれとるんか」



和恵「……あ、ほんとに来た」



門で待ち構えていた仁王。

制服で来たあたり、学校から直接きたのであろう。

和恵を見つけると、門から体を離した。



仁王「またの名を…氷帝の真珠という所か」



和恵「は？真珠？……何言ってんの」



仁王「こっちの話ぜよ。人が集まってきたな……行くぜよ」



「キャー和恵様よ！」


「あの男の人は…？」


「立海大の制服…」


「でも、お似合いよねー」



和恵「……行くってどこへ？」



仁王「喫茶店じゃ」



和恵「喫茶店……」



仁王「ほら、早く着いてこんと迷子になるぜよ」



和恵「げっ！ちょっと待ってって」



『タタタタタタ……』





奈央「(和恵と……仁王！？な…んでじゃ？あの2人)」



ノートを手に持ち、ポケットから出した眼鏡をかける。



奈央「(よーし尾こ…)」



恵利華「奈央！何してるの？部活始まるよ？」



奈央「え……恵利華…」



残念な事に恵利華によって引き戻された奈央。



奈央「あ、恵利華！眼鏡だけは返して」



恵利華「え？」



くるっと振り返った恵利華の目には眼鏡が……




奈央「(萌っ…！！)」
　




真由美「………。」



ミクスド……



跡部「一応聞いておくが、お前のプレイスタイルは何だ？」



恵利華「オールラウンドかな？跡部くんもだよね」



跡部「ああ。今回は仕方ねぇから俺様が合わせてやるか」



恵利華「(今回…？)」



真由美「………。」



ど……どうしよう…



ミクスドのペア…



結局決まってないよ。



ちゃんと言えなかった……



『一緒に組んで下さい』って……



私……

あの人しか今まで…



部長………！




「天ちゃん」



真由美「え…あ……忍足く…」



忍足「俺と…ペア組んでくれへんか？」



真由美「え……」



「真由美ちゃん」



真由美「え……」



「真由美ちゃん、私と……ダブルス組んでくれない？」



真由美「………。」



忍足「天……真由美ちゃん？」



真由美「あ…ほんとに…？」



忍足「どうしたん？涙が…」



涙に驚く忍足。

しかしその涙はすぐに笑顔に戻った。





跡部「忍足、真由美、お前ら向こうのコートに行け。」



忍足「早速ダブルスかい。アップくらいさせてぇな」



恵利華「あ…跡部くん、本当に試合…するの？」



跡部「あーん？何言ってんだ。実践した方が早いだろーが」



真由美「ふふっ。跡部、いきなり実践なんてしたって無理だよ！だって恵利華は…………ダブルスしたことないもの」



おかしくって仕方ない様子の真由美




跡部「なっ……」



恵利華「………うう」



その横で小さくなる恵利華



忍足「いや、跡部知らんかったんか？」



忍足は眼鏡をかけ直した。



跡部「………。」



真由美「…跡部？」



忍足「おーい。跡部ー」



跡部「仕方ねぇ。俺様が面倒みてやるよ」



真由美「(跡部が誘ったのに…)」



忍足「(相変わらず偉そうやな)」



2人が呆れて跡部を見る中…



恵利華「ありがと！」



満面の笑みで跡部を見る恵利華



跡部「フッ」



1人満足そうに微笑む跡部だった。