75.さよなら氷帝学園
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忍足「跡部寝たん?」
恵利華「あ……」
レジャーシートに座り、跡部を膝枕している恵利華は気まずそうにしていた。
どうやら水泳勝負で負けたらしい。
忍足「姫さんもようやるな」
恵利華「か、勝てると思ったの!」
忍足「いや、合宿の時……まぁええわ。」
真由美はドリンクを買いに行ってる所だそうで、少し離れて腰をかけた。
恵利華「景吾の寝顔、あんまりみてないから珍しい……」
それこそ合宿でヘビに噛まれた日しか見たことなかった。
忍足「努力しとるからな」
恵利華「うん……知ってる」
忍足「こんな良い男おらんと思うけど?」
恵利華「……わかってる」
忍足「……え」
恵利華「だから私は1日でも早く世界一になるの」
忍足「付き合うとかいう選択肢はないんかい」
恵利華「付き合う……?」
忍足「せや。彼氏彼女になる気はないんかって事。」
まぁ今でも充分それに近いけどな、と付け加えた。
恵利華「え?どうしてそう思うの……?」
真由美「(侑士くん、邪魔なんじゃ……)」
真由美が遠くの方から様子を伺っている。
忍足「跡部とはできても……俺とはキスできんやろ?」
真由美「(ゆ、侑士くんと恵利華……!!?)」
2人の影が重なりそうになり、動揺が隠せない真由美。
恵利華「ち、ちょっと」
跡部「おい」
忍足「おはようさん跡部。よう眠れたか?」
跡部「目覚めは最悪だがな」
忍足「まぁそう言うなや。あれ、姫さんどないしたん?」
恵利華「ジュースが2つ……」
忍足「え……?」
忍足「真由美ちゃん、真由美ちゃん!」
真由美「…………」
海岸を歩く真由美を引き止めた忍足。
真由美「(私は侑士くんの彼女じゃないし、何も言う資格は……)」
忍足「真由美ちゃ……真由美」
真由美「!!」
振り返ると必死に追いかけてくる忍足の姿が見えた。
真由美「あの……ごめんなさい……見てるの辛くて、その」
忍足「妬いてくれたって事?」
真由美「っ、重くて……め、迷惑ひゃ!?」
何が起こってるのかわからない真由美の視界には忍足の胸板があって。
ギュッと締め付けるように背中には腕が回されると、一気に距離が縮まった。
忍足「嬉しいわ。妬いてくれて。重くなんてない」
真由美「え……それって……」
忍足「聞いてくれるか。俺が今1番大事に思っとるんは……」
「コラァ!その眼鏡!!今すぐ離さんかい!!」
「「え??」」
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恵利華「あの景吾……(怒ってる)」
跡部「恵利華は隙がありすぎる」
恵利華「うーんこの状況も?」
なぜか岩陰を背に詰め寄られている恵利華は、上目遣いで跡部を見ることしかできないでいた。
跡部「アーン?嫌なのか?」
嫌と言われても2人の間に距離なんてものはなく
恵利華「嫌なら昨日あんな事……んんっ」
跡部「俺だけだと思ってもいいよな?」
恵利華「っ」
頬を包まれて目線が合うと何だかもう逃げられないような気がして。
恵利華「他の人とは……しない」
跡部「恵利華」
恵利華はゆっくりと目を閉じた。
「お嬢様、お迎えに参りました」