74.星空の下で
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『パァァン』
『パァァン』
忍足「真由美ちゃ……」
日吉「恵利華さん」
奈央「恵利華ー!真由美ー!」
奈央の呼びかけにも答えようとしない。
奈央「なんじゃこの試合……」
向日「真由美も天衣無縫の極みが使えるのか!?」
日吉「全くみえない」
和恵「ダメだ。うちでも見えない」
真由美「うっ……っ」
忍足「真由美ちゃん!!」
忍足が真由美の元へ駆け寄ると、恵利華は天衣無縫の極みを解いた。
真由美「ありがと……本気で、戦ってくれて……っ」
恵利華「真由美……」
跡部「恵利華、着てろ」
跡部はそっとジャージを差し出した。
恵利華「あ……みんな、ごめんね」
ハッと我に返り、辺りを見渡すといつものメンバー。
榊「お前達……」
奈央「あ、榊監督」
恵利華「…………」
榊「恵利華、試合をしていたのか」
恵利華「勝手に抜け出して申し訳ございません」
深々と頭を下げると、予想外の言葉が返ってきた。
榊「私こそすまない」
恵利華「え?」
榊「ずっとテニスをしたかっただろうに」
恵利華「っ」
ギュッとラケットを握りしめる恵利華。
跡部「恵利華」
そっと恵利華の肩を抱いた。
榊「奈央もバスケットボールをしたかっただろう」
奈央「そ、れは……」
その言葉に俯いた奈央。
宍戸「奈央」
帽子を奈央に被せ、切なそうにみた。
榊「和恵は走り足りないんじゃないのか?」
和恵「もう十分だしッ!!」
榊「フッ、そうか。真由美は今までマネージャーとしてよくやってくれたな」
真由美「い、いえ……そんな」
榊「謙遜するな。お前4人、本当によくやってくれた。ありがとう」
稀に見る榊の柔らかい表情に、驚きを隠せないマネージャー達。
榊「では、引退セレモニーを始める」
和恵「引退、セレモニー?」
榊の合図で空に大きな花火が打ち上がった。
恵利華「わぁ」
和恵「花火綺麗」
真由美「うん!」
真っ暗な夜空に綺麗な花が咲く。
まるで私達の未来のように。
鳳「宍戸先輩っ」
宍戸「長太郎!今までそのいろいろとサンキューな」
鳳「こちらこそ!俺は宍戸先輩にたくさん学びました!!努力の行き着く先努力は報われるって事を!」
宍戸「長太郎……悪いな、言葉にできねぇんだ。先輩失格だな」
鳳「し…宍戸先輩っ……こ、高校にいっても俺とダブルス組んでくださいね!!」
涙を浮かべる鳳に、奈央から奪った帽子を被せた。
宍戸「やる」
鳳「うっ……し、ししどさぁんっ」
帽子をギュッと握りしめる鳳。
ありがとうが言葉にならない。
きっと宍戸には伝わっているだろうと奈央と和恵は顔を見合わせ微笑んだ。
日吉「恵利華さん、また部活に遊びにきてくださいね。」
恵利華「ありがとう。公式戦の合間に行かせてもらうね!」
日吉「はい!あ、あの跡部部長」
跡部「アーン?」
さっと跡部の前に立った日吉。
日吉「跡部部長、俺はいつかあなたを越えてみせます。あなたは俺の目標ですから」
胸の内に秘めていた目標を、真っ直ぐな瞳で宣誓布告した。