跡部「アーン？恵利華なら……」



先程お手洗いに行くと席を外したままだ。

真由美も一緒に席を立ったが……




越前「ふーん。恵利華さんってトイレにまでラケット持って行くんだ？」



跡部「！！」



向日「真由美のラケットもないぜ！？」



忍足「これは……」



日吉「そういうことですよね」



跡部「行くぞ」



一斉に席を立つ氷帝メンバー達。



幸村「騒がしいね」



和恵「うちも行くね」



切原「えー！もうっスか？」



和恵「うちは氷帝の生徒だからさっ」



走り出した和恵に、行ってこいと送り出した丸井。



桑原「ブン太、ニヤニヤしてるところ悪いけどよ、和恵高校は陸上部に入るって言ってたぞ」



丸井「え！？」





-----------



-----------------------





奈央「跡部！！この辺にテニスコートは！？」



跡部「今調べてる」



肉々苑を飛び出し、2人を探すメンバー。



奈央「恵利華、跡部の試合みて火がついたんじゃな」



跡部「それだけならいいがな」



日吉「どういう意味ですか？」



忍足「これどこ向かっとるんや？」



跡部「…………」



宍戸「当てずっぽかよ！？」



忍足「なんや跡部自分がむしゃらやな……車使うとかすれば良かったのに」



跡部「樺地、場所はわかったか？」



樺地「跡部さん、こっちです。恵利華さんのGPS反応が」



和恵「あのゴールド携帯GPS付きだったんだ」



鳳「和恵さん！」



日吉「急ぎましょう！！」



芥川「うん！真っ暗だＣ～」





-----------


-----------------------




恵利華「私、引退って言ってもテニス辞めるわけじゃないし、あまり関係ないものと思っていたけれど」



真由美「わかるよ。もう二度と同じメンバーで戦えないもんね」



恵利華「うん……だから、今日やりたいの。この前の約束。」



真由美「っ……い、いいよ。わかった」









和恵「跡部、あのさ」



跡部「なんだ？」



和恵「恵利華……あっちではアメリカに行くって……約束を果たしたらアメリカに行くって言ってた」



跡部「…………」



和恵「あの試合に刺激を受けて、自分の強さを求めてるのかな？今じゃわからんけど……」



跡部「そうか。」



奈央「…………」



宍戸「奈央……」



奈央「あ、な、なに？亮」



宍戸「奈央は、その……」



『パァァン』


『バシッ』



和恵「あれは……」



奈央「恵利華真由美！」



そこには無言でラケットを降り続ける恵利華と真由美の姿があった。