真由美「（恵利華……変わったよね。前までは人に勝利を委ねるなんてことなかったのに）」


忍足「真由美ちゃん？」


真由美「（美並部長が恵利華に約束をしてから、自分で果たそうとしてたのに……もしかして……）」


忍足「跡部な」


真由美「え？」


忍足「跡部、お嬢さんらの夢預かってからな……」


跡部「忍足、余計な事を言うんじゃねーよ」


奈央「え？なになにー？データ？」


和恵「ネタじゃね？面白いやつ」


休んでいた2人もようやく回復してきた。



越前「…………」


奈央「うわー、随分睨んでるけぇ」


和恵「早くコートに来いだとさ～」


真由美「いよいよ、だね。恵利華」


恵利華「ん。……景吾くん」


跡部「なんだ？」


恵利華「私達みんな……待ってるから」


そう言うとフッと笑ってコートへと歩いて行く跡部。



越前「やーっとアンタと戦える日が来たよ。サル山の大将さん！」


奈央「サル……」

和恵「山！？」



「「（俺達サル呼ばわりかよ……！！）」」


ぐっと拳を握りしめる氷帝部員。



奈央「さあ！応援じゃ！勝つのは氷帝！」

和恵「頑張れ氷帝っ♪」



越前「ククク……」


跡部「ククク……」


越前「フフフフ……」


跡部「フフフフ……」


越前「ハァーッハッハ」


跡部「ハァーッハッハ」



「「ハァーッハッハ！！」」



忍足「同調しよった」


「「あんなのと一緒にするな/しないで下さい！！！」」


真由美「本当にみんな息ぴったりだねι」


青学のベンチでは乾が、大石・菊丸ペアに睨まれていた。
きっと同じ事が起こったに違いない。



跡部「王子様だか何だか知らねーが……俺が王様だ！」


越前「それよりさ、アンタ強いの？」


跡部「ナマ言うんじゃねーよ。なぁ……樺地」


樺地「ウス」


越前「ふーん…。ねぇ、何か賭けない？」


思わぬ言葉に一瞬驚く跡部。


越前「………」


恵利華「……え？えっと……私？」


目が合った恵利華はどうしていいかわからない。


越前「俺が勝ったら、恵利華さん1日貸してよ」


奈央「はぁ！？ちょっと越前リョーマ！！その条件なんじゃ！！」


日吉「恵利華さんは物じゃねぇぞ」


向日「まるで跡部の所有物だな」


忍足「他校にも認知されとる所が流石やね」



恵利華「うーんと……」


跡部「アン？俺様が勝ったらどーすんだ？」


越前「その姫さんにキスでもしてもらえば？」


奈央「はぁぁ！！？ふざけんな越前リョーマ！！」


幸村「坊や……もう一度五感奪った方がいいのかな？」


忍足「なんや跡部の様子が変やで？」


真由美「？？」


跡部「（恵利華から……キス、だと…）」



忍足「うわ、めっちゃ姫さんみてるで」


芥川「恵利華ちゃんどうするのー？」


和恵「恵利華ー、キスくらいしてやれば？減らないし！それで全国優勝できるならさっ」


奈央「和恵！？」


恵利華「（全国優勝……）」


越前「で、どうなの？恵利華さん？」


跡部「………」


恵利華「……わかったわ」


跡部「！！」