70.ダイヤモンドコンビ始動!
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跡部「恵利華」
恵利華「どうしたの?」
跡部「腕、痛むか?」
恵利華「大丈夫。真由美のお陰かな?」
そう言ってラケットをくるくる回す恵利華。
カラフルなラケットが目に付いた。
跡部「そのラケット、重いか?」
恵利華がラケットを回す手を止め、真剣な顔付きに変わる。
恵利華「試合の意気込みによって変わるからね。」
そう言うと、跡部は不思議そうな顔をした。
跡部「なるほどな。ラケットの重みってわけじゃなくて、あの部長の重みってとこか。」
恵利華「(流石に鋭いな)腕なら大丈夫よ。さぁアップを……」
目の前に現れた少年にフッと、笑みを浮かべる恵利華。
跡部「越前」
越前「1つ聞きたいんだけど」
恵利華「何かしら?」
越前「自分のテニス……いいの?」
恵利華「私のテニス?」
越前「アンタなら俺、海外言っても通用すると思うんだけど?」
跡部「………」
越前「いつまでのん気にしてるの?」
恵利華「試合前に何かと思ったらそんな事……まぁ私もみんなに出会う前はそうだったけど……」
越前「そんな事って」
恵利華「世界を獲りに行くのはいつでもできると思ってた。けど、私には足りない物があったみたい」
越前「足りない物?」
恵利華「越前くんは行くんでしょ?アメリカ」
越前「アンタは行かないの?」
恵利華「私さ、この前全力で試合したんだよね」
越前「………」
恵利華「それ以上のものがここにある。そう思った」
どこかに歩き出した恵利華に、越前は強くラケットを握りしめた。
越前「置いてくから!俺、先に行ってアンタを!!」
跡部が越前の帽子のツバを軽くつまみ、深く被らせた。
跡部「させるかよ。」
そして恵利華と共にアップに向かった。
跡部「恵利華」
恵利華「アップするよ?」
跡部「試合に出ない理由が何かあるんじゃないのか?」
今までの恵利華なら、日本でも個人で大会でも出そうなのに、ちっとも出る気配はねぇ。
跡部「全国が終わったら……」
恵利華「試合は……」
ここに来て楽しくて、今まで全部気がつかなかったけど
私達、本当にずっとここにいるのかな?
居れるのかな?
恵利華「(でも、今は……)」
跡部「全国が終わったら、恵利華は……」
恵利華「景吾くん、今は全国の事だけ考えて?」
前だけを見る。
これがここで私が教わったもの。
跡部「あぁ。俺とした事がそうだな。」
恵利華「1番近くで観てるわ」
跡部「あぁ。俺様の美技に酔いな」
恵利華「酔わせられるならね」
跡部「ハハハッ!恵利華はそうじゃなくっちゃな!」
日吉「(黙ってても目立つ2人が更に目立ってる)」
恵利華「あ、ヒヨ。ダウンしてるの?」
日吉「はい。もう戻りますが。あ、そうだ恵利華さん」
恵利華「??」
日吉「酔い止めありますが飲みますか?」
跡部「日吉……」
恵利華「ふふっ、ありがとうヒヨ。でも必要ない、かな」
日吉「?そうですか」
恵利華「うん。(たぶん……)」
もう軽く酔ってる