柳生「奈央さん大丈夫なんでしょうか？」



奈央「ウチがなんだって？」



柳生「な、奈央さん！」



奈央「ウチは元気！！ねっ恵利華！」



恵利華「ねー！」



そう言うとニコッと笑った奈央。


恵利華は奈央の笑顔は眩しいなーと微笑んだ。



和恵「（人一倍顔に出さないくせに）」



奈央「ん？何？和恵」



和恵「べっつにぃー」



真由美「（みんな無理しちゃって）」



幸村「跡部」



今までの会話を聞いていた幸村が、跡部に話しかける。




幸村「勝たないと許さないからね？」



跡部「あぁ。」



そう言うと幸村は視線をコートに戻した。



『ゲームセットウォンバイ手塚6ー4』





左手で右手の腕を掴み、強い眼差しでコートを見る恵利華。



跡部「………」



跡部がそっと恵利華の肩に手を置いた。




日吉「っ」



試合後、日吉が無言でベンチに帰ってきた。



真由美「ピヨ！」



心配そうにタオルを肩にかける真由美。



奈央「ピーヨ！」



タタタと日吉のもとに向かう奈央。



日吉「なんっですか？」



必死に涙を堪えている日吉に



奈央「おかえりーピヨ！」



甲斐「やーやるやっしー♪あの手塚と、あんな試合するなんてよぉー」



キラキラと太陽のような2人に、眩しいのか顔を上げない日吉。



奈央「………」



日吉「俺は勝ちたかっ……！」



俯く日吉に、後ろから忍び寄る影



和恵「ウジウジすんな！！」



『ゲシッ』



真由美「わわっ」



跡部「………」



真由美の肩をガシッと掴み、無言で見ている跡部。

そして大丈夫だと呟いた。



真由美「（ええー）」





和恵「今のアンタの実力でわかってたさ！手塚に勝てない事なんてっ」


日吉「なっ！」



俯いてた顔をガバッと上げた。



和恵「それでも、監督がどうしてピヨに手塚を当てたのか考えろ！！」



榊「………」



日吉「なんでってそれは……」



答えが出ない日吉。
それをみて奈央が近づいた。




奈央「ウチらね、ピヨ」



日吉「………」



奈央「チームで戦ってるんよ？」



だからこそ勝ちたかった。



ここ（氷帝）にきて

先輩達がきて

自分でも驚く程、俺は変われた。

言葉には出せないけど



凄く感謝している。



だから、チームの為に何かしたかった。





勝ちたかった。