66.前夜
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宍戸「……いねぇな」
奈央と教会でバカやってたら、長太郎も和恵も居なくなってて、気を利かせたんだろーが外にもいない。
奈央「すっかり夜じゃなー」
宍戸「あぁ。送ってくぜ」
奈央「へっくしゅ!!」
流石にもう夜だしな、と思って奈央を見るとノースリーブで……
俺は持っていた上着を差し出した。
宍戸「(さすがにブカブカだな)」
ジャージを着た奈央はブカブカで意外に小さいんだよなコイツ。
歩く時の歩幅も小さいし、なんつーかこういう時妙に意識しちまう。
奈央「ふふっ、今だけ『宍戸奈央』じゃな♩」
宍戸「っ!!?」
そう言って見せられた笑顔は眩しすぎて、心臓の音が聞こえる程にバクバクして、一気に体が熱くなる。
自覚せざるを得ないこの気持ち。
奈央「亮?」
奈央
お前といると眩しくて、いつも帽子が手放せねぇよ。
宍戸「あぶねーから、ほら」
奈央「あ……う、うん」
繋いだ手も小さくて、心臓はまた速く鼓動をうつ。
奈央「亮の手、大きいね!」
宍戸「奈央のが小せぇんだろ」
奈央「小さくないもん」
宍戸「ははっ。拗ねんなっての!明日、絶対勝つからよ。その……また2人で出かけねぇか?」
奈央「デ、デート?」
宍戸「お、おう。嫌か?」
少しの沈黙の後、また太陽みたいなこの笑顔。
奈央「う……うん、最高じゃ!」
空が青空である為に。
この笑顔を守りたいと強く思うのは、まだ内緒だ。
宍戸「最高ってなんだよ」
芥川「ねー、岳人何落ち込んでるの~?」
向日「落ち込んでねぇし!」
うん、落ち込んでるよね。
解散してからずっと部室でうつ伏せてるC。
って俺もソファーで寝てたんだけど。
向日「俺は明日試合に出れるかわかんねーし、侑士にも勝てない」
話すんだ。
芥川「うん、岳人頑張ってたもんね~」
部活も、真由美ちゃんも
みていてすっごくわかった。
きっと、みんなにも伝わってると思う。
芥川「勇気もらったと思うC」
向日「でも結果が出ないと意味ねぇよ」
芥川「意味……」
そんな事はないと思うけど。
俺も思うところがあるから何も言えなくてモドカシイ。
向日「ジローはどうなんだよ?合宿で丸井と仲良くしてたけど……どうなんだろうな?」
芥川「たぶん全国大会に集中してるんだと思うC。一応、敵同士だし」
向日「ふーん」
何度も考えた。
寝るフリなんかして。何度も。
出てきた俺の答えは……
芥川「あの子が笑ってたらそれでいいC~。」
向日「ははっ!ジローらしいな!まぁ丸井の事も好きだもんなお前」
芥川「そこは和恵ちゃんの方が好きだC~。それに一緒にお昼寝してくれたり、膝枕だって」
向日「はっ!?膝枕って何だよ!」
芥川「たまに頭痛そうだから、ちょっとだけ」
岳人が口をパクパクさせながらこっちをみてるけど知らんぷり。
芥川「俺だって男だし」
向日「っ!?」
『ガチャ』
鳳「あ、やっぱりここにいたんですね。和恵さんの言う通りです。」
部室のドアを開けて、和恵ちゃんを探すと星を眺めていた。
さっきの言葉に嘘はない。
嘘はないけど
芥川「(君が見ていてくれたら、もっともっと頑張れるよ)」