和恵「真田の『雷』ってさ……あの強烈打球、うち吹っ飛びそう」


宍戸「女じゃ無理じゃねーか？あれを返すのは」


木手「『ビッグバン』より、威力がありますしね」


恵利華「あはは、返せるよ。真由美なら」


「「えぇ！？」」


千石「真由美ちゃんの細腕でどうやって返すんだい？」


日吉「あ…！『回転木馬（メリーゴーランド）』ですね？確かにあれなら……」


恵利華「ええ。比嘉中の試合観た時はまだ完成してなかったみたいだったけど……」


向日「完成したのかよ！？」


日吉「みたいでしたよ。」


奈央「ウチらも……ねー和恵！」


和恵「目ん玉飛び出るよ～？」


恵利華「（寝てる間に…何があったんだろう）」


宍戸「手塚、きつそうだな。」


向日「手が青ざめてる……」


和恵「辛そうだね……」


日吉「部長の重み、ですね。」


恵利華「そうだね。」












【軽井沢】


真由美「こんな森奥にいるの……？」


跡部「恵利華のメールに書いてた住所はここだ。」


忍足「滝……か。」


桃城「越前ー！」


「可愛いお嬢さんだな」


真由美「ひゃあ！？」


忍足「真由美ちゃん！？どないした……あの、すみませんがどなたさん？」


南次郎「こんな山奥まで……とあれか、リョーマの事、か。」


桃城「越前は！？どこに……」


南次郎「ほれ」


南次郎が指差す所をみると


越前「あの……」


確かに越前の姿が


桃城「越前！っと今は話してる時間はない！乗れ！！」


越前「え、あの……」


跡部「行くぞ！」


真由美「早く早く！」



南次郎「………」













【試合会場】


『パァァン』

『パァァン』


和恵「長いね～」


芥川「うん……」


奈央「きっと時間稼ぎしとるんじゃろ。手塚は」


鳳「青学の……未来の為に…？」


宍戸「だろーな。でもよ、もうマッチポイントだぜ」


恵利華「2時間か。よく粘ってるね。」


そしてマッチポイントのボールの行方が決まろうとしている。


「やった！あのボールなら真田側に落ちる！」


真田は這い蹲ったままである。
手塚も、もう打ち返せる状態ではなかった。


真田「（くそっ…我々はこんな所で負けるわけにはいかんのだ！決勝に……！







向こうに入らんかーっ！！」




『ポト……』



『ゲームセットウォンバイ　立海真田7ー5』


審判のコールに会場が湧いた。


真田「貴様とは…二度とやらん」


手塚「………」








和恵「気迫で入れたよ。」


芥川「凄いＣ……」


呆気に取られた氷帝メンバー。その時……



桃城「手塚部長が…負けた……」


奈央「あ、桃城帰ってきた」


恵利華「越前くん？」


越前「こ…こんにちは！き、綺麗な方ですね」


恵利華「……何か食べた？」


目を丸くする恵利華


奈央「まず挨拶した時点でおかしいけぇ……越前リョーマ？」


越前「わぁ！？氷帝って可愛いマネージャーばっかりですね」


奈央「…………



どこもおかしくないんじゃ……」



「「おかしいよ」」



和恵「ちょっと！真由美、どうなってるの！？」


真由美「えっとね、たぶん……―――」






「「記憶喪失！？」」