64.夜のテニスコート
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跡部「できねぇんだったらできねぇで、まだまだ部員はいるしな」
壁に持たれたまま、じっと日吉を見る跡部。
2人の視線が、日吉に注がれる。
日吉「背負ってみせます」
恵利華「ふふっ」
跡部「フッ」
2人は目を合わし、笑い合う。
日吉「笑わないでください」
恵利華「だって嬉しいんだもん。ねぇ、景吾くん」
跡部「ハッ!まぁ、まだ譲らねーがな」
日吉「……はぁ(完全に子ども扱いだなこの2人)」
【テニスコート】
真由美「ほっ」
『パァァン』
真由美「はっ」
『パァァン』
夜に一人練習をする真由美。
向日「真由美!?」
真由美「あ!向日くん、どうしたの?」
向日「お前……こんな遅くに練習してたのか?」
真由美「朝は恵利華が使ってるしね」
壁にボールを打ちながら話す真由美。
向日「一緒にやればいいだろー」
向日の言葉にボールを打つ手を止めた。
真由美「きっと一人でやりたいんだよ。それに一緒にしてほしい時は声かけてくると思うしね」
向日「そっか……」
しっかりと目を見て話す真由美に、向日は納得せざるを得なかった。
真由美「何か……あった?私でよければ聞くよ?」
いつもと様子が違うな、と話をすると、向日はギクッと肩を震わせた。
向日「鋭いな……。あ、あのさっ!もし自分が試合に出れなくても、チームの為に何か出来る事があると思うか?」
真由美「自分が試合に出れなくも…?」
向日「全国大会とか……」
真由美「え?」
向日「『もし』だからな!」
真由美「もし、ね。ん~っと……チームがどれだけ好きか、だよ。きっと向日くんの言った質問に答えなんてない。その気持ちが行動に出たら、きっとそれが答えなんだと思うな。」
夜空を見上げながら、ゆっくりと答える真由美。
するとスタスタと足音が聞こえた。
真由美「!」
忍足「それが今の真由美ちゃんやねんな。」
向日「侑士」
忍足「ほんまは真由美ちゃんが一番試合したい。……違うか?」
真由美「!」
忍足「それを抑えて俺らのサポートに回ってくれとる。これが真由美ちゃんの答えやねんな。」
真由美「私はこういうことしか出来ないから……」
忍足「俺は……真由美ちゃんしかできひんと思うけどな。」
真由美「あ、ありがとう」
向日「侑士……」
恵利華「それは真由美の答えだよ。向日くんには向日くんしか出来ない事があるんじゃない?」