奈央「真由美ってさー」


忍足「！なんや突然……」


奈央「まぁ聞けって！真由美ってお嬢なのにさー、料理もできて頭も良くって、いつも周りを気に掛けて凄いよね！」


ちなみに家庭料理はカレーとハンバーグだけ知っていて、お母さんに教えてもらったらしいよ！と付け加えた。


忍足「せやな。ファンクラブもぎょおさんおるし、家系も凄いし、本人も看護師の免許持ってるし……」


奈央「忍足さ……そんなに気になる？真由美の外見が」


忍足「なんで？」


奈央「そんな感じしたから」


忍足「乙女の予感っちゅーやつか？」


奈央「いや、さっきの答え。ステータスばっかじゃったから……」


忍足「…………」


奈央「まぁ、真由美に限らずウチ以外の3人は確かにスーパー中学生だけど……案外気にしてないよ？でもそれを気にするって事はさー……」


忍足「？」


奈央「未来永劫、一緒に居たいって事じゃろ？」


忍足「…………」


奈央「家柄気にするなんて、そー言うこ……うぐぐぐ！」


奈央の口元を押さえる忍足。


奈央「（く、苦し……！）」


忍足「そんな跡部みたいな事思って……」


奈央は驚いて忍足をみた。


奈央「（顔、真っ赤なんじゃけど……）」


奈央に負けず劣らず忍足の顔は真っ赤だった。


奈央「（写真撮りたい……）」







向日「俺、思うんだけど……」


真由美「？」


マッサージを受けながら、向日が口を開いた。


向日「そろそろさ、恵利華に夢の事言ってもいいと思うんだけど……」


真由美「………」


うーんと考え込む真由美。


真由美「美並部長の話したよね？」


向日「あぁ」


真由美「美並部長の夢……わかる？」


向日「全国制覇じゃなくてか？」


「恵利華が世界で活躍するのを観れなくて…」


真由美「美並部長の夢はトレーナーだよ。」


向日「トレーナー……」


真由美「うん。私、美並部長に憧れてたんだ。だからね、超えたいの。」


向日「それなら2人で高め合ってさ……」


真由美「甘え合う関係ならいらない。部長を超えて、ちゃんと胸を張って言えるようになりたいんだ。」


向日「真由美……」


真由美「だからそれまでは…」


向日「そっか……。俺、軽率だったな」


真由美「ううん！……あ！私和恵に用事があるんだった！ちょっとごめんね（早乙女監督～）」


向日「あぁ、マッサージサンキューな」











真由美「和恵ー！」


和恵「何？」


真由美「あのねっ、早乙女監督に電話しない？」


和恵「は？どういう意味？」


真由美「全国大会終わるまで……比嘉中にいて欲しいなって」


和恵「貸して」


真由美「え？」


和恵「うちが頼む。真由美まだ仕事あるんでしょ？」


真由美「和恵……。ありがとう！さすがバナナ同盟♪」


和恵「まぁね～♪」



真由美「よし！次は......あι跡部のマッサージだよ......ιあとは侑士君と............」



目で探すと、奈央がすでに忍足のマッサージをしていた。

真由美はブンブンと首を横に振り、走り出す。



和恵「（さぁて......どうしよっかな～）」