63.変わらない思い
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跡部「恵利華」
恵利華「……あ、景吾くん、どうしたの?」
休む所だったのか、ベッドから顔を覗かせる恵利華。
跡部「わりぃな。起こしたか?」
恵利華「ううん……」
跡部「………」
恵利華「………(き、気まずい……)」
あの試合の後から、何となく気まずい2人は言葉を交わすことなく同じ空間にいる。
恵利華「あの……な、何か……用事?」
気まずさに耐えきれなくなり口を開く。
するとフッといつもの調子で笑う跡部に、恵利華は驚いて目を開いた。
跡部「やはり、変わらねーな」
恵利華「変わらない?」
何が、と言いかけた時自分がほっと安心している事に気が付いた。
跡部「あぁ。自分の気持ちが、だ。」
恵利華「それは……」
今度は真っ赤に頬を染める恵利華に、かなり珍しい物をみたかのように驚く跡部の顔。
そういや、言った事はなかったなと呟いた。
跡部「聞きたいか?」
時が止まったように静まり返る。
心臓の音が聞こえてきそうな程……
恵利華「い、今は……」
あーそうだったなと髪をかき乱す跡部に、さっきよりも気まずくなってしまったかもしれないと感じた恵利華。
恵利華「ちゃんと気付いてるから」
跡部「!!」
バサッと赤い顔を隠すように布団を被った。
スタスタとベッドに近付く音がする。
恵利華「な、何……?」
跡部「アーン?少しくらい触れてもいいだろ?」
恵利華「少しくらいって……(いつも好きに触れてるのに……)」
跡部「ククッ、ボディーソープが合ってるのか確かめねーといけねぇしな」
ギシっとベッドが軋む。
恵利華「えっと、ボディーソープはちょうどいいと思うけど……ちょっと景ー」
「ダメーっっ!」
真由美が部屋に乱入し、くどくどと説教を始める事数十分。
跡部「……」
あの俺様跡部様もタジタジになる程、真由美の説教は鬼気迫っていた。
その間に恵利華は眠ってしまい、気付いた真由美は口を閉じた。
恵利華「みなみ、ちゃ……」
「「!」」
跡部「(みなみ……こいつの幼なじみか。確か、全国を任されたって……それを俺様に預けたんだよな。)」
真由美「恵利華……」
跡部「(この約束も守れねぇで、恵利華の側に居る資格はねぇな。)」
部屋を出ようとドアに手をかける。
すると……
『ピリリリリ……』
突然鳴り響いた恵利華の携帯
跡部「………」
真由美「あ、ちょっと」
ディスプレイを見ると……
『越前リョーマ』
それ、恵利華の携帯……と戸惑う真由美を横目に、携帯を怪訝そうに見つめる跡部はボタンを押して耳へと運んだ。
跡部「何の用だ?越前」
真由美「え?越前くん?(いつの間に連絡先交換したんだろう……)」
試合した時かな?と推測する。
『俺、アンタに電話かけた覚えないんだけど』
跡部「恵利華は寝てるぜ?」
『っ、アンタ達何してたのさ?』
やましい事はないのだが、この時間にしかも寝てるとなると勘違いしても仕方ない。
真由美「(何の用事だろう……試合、とかじゃないよね?)」
真由美は心配で耳を澄ましていた。