真由美「（試合……大丈夫、かな）」


2人の様子を心配そうにみる跡部と真由美。


不二「『百腕巨人の門番』」


奈央「新しいカウンター！？」


白石「（ネットを越さへんやて！？…そないアホな話あるかい！）これならどや！！」

『パァァン』

『シュルルル……』


『ゲーム不二3-5』


宍戸「おいおいマジかよ！ロブもネットに越えねぇなんてよ！」

向日「どうなってるんだよ！？」


和恵「"いい風"だよ。」

向日「風！？」


白石「（これもちゃう……あれもちゃう）」


『ゲーム不二5-5』


奈央「5-0から……追い付いた」


和恵「うん……しかも白石の打球、ネット越えないね。」


向日「む、無敵だな」


跡部「バーカ良く見てみろ。」

向日「？」


恵利華「ボールの位置、どんどん上がってきてるよ。」



『ゲーム不二6-5』


不二「怖いなぁ……」


跡部「この試合……不二がこんまま逃げきるか、白石が破る事が出来るかだな。」


真由美「（本当に強くなったね、不二くん…！）」


『0-40！マッチポイント不二』


和恵「あ、きた」

恵利華「うん」


鳳「何がですか？」


和恵はコートを指差した。


『パァァン』


奈央「白石のボールが……」


「「ネットを越えたぁーっ！」」


白石「さぁ、反撃や。」


『パァァン』


謙也「よしアウトや！勝ったで白石ぃーっ！」


白石「（しまった…！はくげ…）」

『ビュォオオ』


真由美「風…？」

向日「風！！（和恵が言ってた......！）」


『アウト！ゲームセット ウォンバイ白石7-6』



奈央「凄い試合だった」


恵利華「そうだね。」


真由美「私も頑張らなきゃ！」


和恵「あの精神力は余程じゃないと身につかないよね。」


S3の試合の余韻が残る中、D2の試合が始まろうとしている。


恵利華「ねぇ、景吾くん」

跡部「アーン？」


恵利華「私……目がおかしくなったのかしら？アフロの人がいる。」


跡部「………」


跡部と恵利華が若干引きつつも1人、目を輝かせてる人がいた。


奈央「ぷっ、くくく！」


和恵「何笑ってるのさ？」


奈央「ウケる～「それうちの台詞」」


真由美「これ、ルール的にはどうなの！？規定になかったっけ……」


忍足「真由美ちゃん？」


真由美は携帯を取り出し、急いで調べようとする。しかし、隣にいた和恵が真由美の携帯をそっと閉じた。


和恵「真由美、知らなくて良いこともあるんよ」


真由美「え、でも……」


和恵「何より、アフロでテニスなんて面白い」


奈央と和恵がハイタッチをする。恵利華がゴホンと咳払いをした。



桃城「アンタ等、何でさっきからずっと触り合ってるんすか？ま、まさかホ……」


金色「いいトコに気付いたわねボクゥ～」


海堂「ウッ……」


一氏「ウチらは監督の命令でな、離れたらアカンのや。ペアを組んでから私生活でも試合以外は一瞬たりとも離れた事は無いでぇ」


金色「常にくっついてる事で相手の次の動き、そして考えもが分かり始める―」


手を握り合い、上機嫌でスキップをする2人。



「｢そう、これぞまさに一心同体少女隊修業や！その幾多の苦難を乗り越えたウチらに敗北の文字はあらへんでぇ！せやな監督っ！？｣」


恵利華「……」


日吉「（恵利華さん、凄い引き気味でコート観てるな）」



渡邊「………えっ、言うたっけか？」


「｢え"え"っ――！｣」


金色と一氏が叫んだ。