和恵「奈央、うちが携帯に気を取られたらぶっ飛ばして。うつつ抜かしてみんなの足は引っ張れんから」


奈央「和恵、お前男じゃな……」


和恵「は！？うちは女の子だし！！」


ふん！と勢いよく立ち上がり部屋に戻ろうとする和恵。


奈央「そうじゃな。まぁ、全国大会終わったら……何を言おうとしてたんじゃ？」


和恵「べ、別に一緒に木でも登るかって感じだったし！」


奈央「木に！？」


相変わらずよくわからない、と奈央


奈央「あ、ウチがうつつ抜かしても殴らないでね？今日、亮がさー、迎えに来てくれてねって聞いとる！？和恵！」


和恵「あんたは恵利華に殴られればいい」


奈央「ウチ、ちょっと電話する」


和恵「いや、冗談だから。うちは前科があるし……って聞いてねぇなおい」


奈央「前科って言っても、ちゃんとケジメつけて応援しとったじゃろ。」


目線は携帯にあるものの、話は聞いていたようだ。


和恵「（聞いてたんかい）」


バタンと扉を閉めた和恵。


奈央「照れ……？」


『……何がだよ』


奈央「うわっ！？つ、通話ボタン押しちゃってた！？」


『あのなぁ！……ったく、話はよく聞こえねぇし、何かあったのかと思ったぜ』


居たたまれなくなり、思わずシャーっとカーテンを全開にした。


奈央「あ、いや、ホントに申し訳な……え？亮…」


『何にもなくて……よかったぜ』


窓の下には宍戸の姿が


奈央「あ、あの……ありがとうっ！！」


ヒラヒラと手を振り、宍戸は帰って行った。


奈央「（ウチに何かあったと思って……？かっこよすぎじゃろ……）」




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翌日、氷帝は勝ち上がった六里ヶ丘を難無く倒し


『只今より2回戦 青春学園ＶＳ比嘉中の試合を始めます』


奈央「ナイスタイミングじゃな」


向日「なんで比嘉中観るんだよー」


恵利華「偵察偵察！（比嘉中じゃなくって、青学観るんだけどね）」


和恵「田仁志って…選ぶスポーツ間違ってね？」


真由美「和恵…」


宍戸「それにしても、巨体田仁志の相手が越前か」

鳳「体格が全然違いますね。」


和恵「あ～巨田仁志観ると暑苦しいな～」


跡部「水でも被ってろ。」


和恵「プールじゃないんだから」


芥川「和恵ちゃん、ドリンクだよ～」


和恵「ありが……」

芥川「俺が飲んだのだけどね」


和恵「お、おう……ありがとう～」


奈央「（ぷっ、ジローにいい具合に阻止されとる）」



田仁志「 ぬぅーやがくぬぅちぃぴぃらーぐゎーや！（ 何だこのチビはーっ！）」


越前「ねぇ…アンタ、ダイエットした方がいーんじゃないの」


和恵「ぷっ！」


向日「アハハハハ！言えてるぜっ！もっと飛んでみそ」


田仁志「！」

真由美「？」


田仁志「きょ…今日のとぅくるは許してやるさー…」


忍足「……」


越前「別にいいけど…許してもらわなくても。」


恵利華「（パワーが桁違いだね、この２人。さて、どう攻略するのか見せてもらうよ）」


『ザ・ベスト・オブ・1セットマッチ青学サービスプレイ』