58.全国大会開幕
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振り向くとそこには眉をひそめ、青筋を立てて男を睨みつける亜久津の姿が。
男たちは一目散に逃げて行く。
奈央「おー、仁、サンキュ」
お礼を言う奈央だが、亜久津は意に介せずとそっぽを向いた。
奈央「試合、終わったんじゃな」
亜久津「まぁな」
そんな亜久津の後ろから、ひょっこりと覗き込むバンダナの少年と目が合った。
「(ひ、氷帝テニス部の美人マネージャーの1人…!)」
奈央「勝ったんじゃな。」
亜久津「ふんっ」
嬉しそうに肩をトントン叩く奈央に、少年は目を見開いた。
「亜久津先輩……あ、あのっ、俺の女って、あの……」
亜久津「ああ!?」
奈央「威嚇してくれたんじゃろ。気にしてないよ」
亜久津「(少しは気にしろよ)」
そこへタタタと宍戸がやってきた。
奈央「あ、亮……今行……!」
グッと腕を引き寄せられて、奈央の体は傾いた。
亜久津「全国大会終わったら、ツラ貸せ」
奈央「お、おう?」
少し呆気にとられた奈央だったが、返事をすると腕を離しスタスタと歩いて行く。
その後ろ姿を宍戸が見つめていた。
宍戸「なんかあったか?」
奈央「いーや、何でも」
宍戸「そうは見えなかったけどな」
奈央「なんじゃ亮、もしかしてヤキモチ…」
宍戸「っ」
奈央「え……」
奈央は否定しない宍戸を見ていた。
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夜、マンションに戻った4人。
恵利華はすでに休み、真由美は勉学に励んでいる。
そんな中、ソファーに座り夜景を観ながら溜息をつく和恵。手には携帯が握られている。
奈央「和恵、まだ起きとったんか」
和恵「まぁね」
振り返ると奈央も携帯を片手に首を傾げている。
奈央「ウチ、邪魔した?」
和恵「別に……」
ふーん、とソファーに腰をかける奈央は同じくぼんやりと景色を見ていた。すると携帯の着信音が鳴り、同時にピクリと肩を震わせた。
和恵「あ……」
ディスプレイにはブン太の文字が。
奈央は部屋に戻ろうと立ち上がるが、和恵が静止した。
和恵「聞いてていいから……てか、聞いてて」
奈央「和恵……」
和恵は携帯を手に通話ボタンを押した。
和恵「ブン太、今日はごめん。ちょっとバタバタしててさ……。それで、あの……」
奈央「………」
和恵「今はお互い全国大会に集中しよ!別の学校だし、敵同士だし……っ。」
『和恵……』
和恵「うち、全国制覇狙ってるからさ!だから……」
そうだな、と丸井が言いかけた時、和恵は携帯を握りしめてこう言った。
和恵「終わったらさ、また……」