57.全国に向けて
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忍足「……」
向日と真由美のラリーをぼんやりと眺める忍足。
忍足「(2人、楽しそうやな……)」
そりゃそうか。
真由美ちゃん、テニス大好きやもんな。
奈央「ダブルス組どんどんかかってこーい!ウチと和恵が相手してやるけん」
和恵「どんどんはいいわ。疲れるし」
奈央「次、ジローと樺地ペアこーい!」
芥川「え?樺地とダブルス?よろしくねー!」
樺地「ウス」
忍足「(ダブルス組は調整する気あれへんな)」
奈央ちゃんと和恵ちゃんはシンクロの習得……大変そうやな
忍足「(跡部と姫さんも楽しそうや)」
あの2人はテニスがデートみたいなもんやもんな。
真由美「向日くん体力ついたよね」
向日「まぁ、合宿であんなに走ればな!」
忍足「(岳人、浮かれとるな。合宿の特別メニューか……。やっぱり他の子は大丈夫やのに)」
真由美ちゃんが他の子と笑ってるのをみると、なんか胸がこうキューっと……切ない、な。
このせつなさに、何て名前を付けたらええんやろか?
「侑士っ」
忍足「……」
フェンスの向こうにまた先輩がおった。
「話があるの」
話……
藤崎「昨日はごめんなさい。」
忍足「……」
藤崎「どうしたの?体調悪い?」
忍足「まぁ、ちょっとな。それより話って何?」
藤崎「私……侑士が好きなの!もう一度私と付き合って欲しい」
忍足「それは……出来ん。」
はぁと力が抜けた藤崎。
藤崎「やっとフってくれた。これで前に進めそうよ」
うーんと空に向かって背伸びをする。
忍足「……今まで堪忍な」
藤崎「私も、答えが出るのが怖かった。だから逃げ回ったりしたり……何回もダメだと思った。でも真由美ちゃんと話してる侑士をみたらいてもたってもいれなくて……」
忍足「真由美ちゃん?」
藤崎「えぇ。なんて言えばいいのかな?羨ましかったのかも……侑士、誰よりも優しい顔してたから」
忍足「え?」
あら、気付いてなかったの?と藤崎。
忍足「それって……いつ?」
藤崎はニッコリと笑った。
藤崎「悔しいから教えないわ♩」
じゃあね、と手を振り歩き出した。
忍足「…………」
今までの出来事を思い返す。
思えば、真由美ちゃんにハッとする事は沢山あって
跡部「やっと片付いたか、忍足」
恵利華「?」
忍足「跡部みたいにわかりやすかったらええんやけどな」
跡部「あーん?」
4月、そう俺らがマネージャーと出会ったあの日
姫さんのラケットがぶつかって、2人が初めて目が合って
跡部「…………」
跡部のあんな顔は初めて。
俺は人が恋に落ちる瞬間を初めてみた。
忍足「(俺にもそんなんあったんやろか……?)」