56.鬼と天使
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給水所で藤崎と真由美が話していて、堪らず割り込んだ忍足。
藤崎「侑士……」
忍足「何しとんのって聞いてるんやけど?」
藤崎「!」
藤崎は忍足の威圧的な態度にビックリして半歩下がった。
忍足「俺の気持ちは言うたはずや。もうこれ以上真由美ちゃんに接触するならこっちにも考えがあるで」
藤崎「っ!?」
行こう、と真由美の腕を持ちコートに戻ろうとする。
真由美「藤崎さん、あの……向日くんと出かけたのは、勘違いだから」
忍足「……え?」
忍足が立ち止まる。
忍足「(岳人と、出かけた……?)」
真由美「じゃ、じゃあまた」
藤崎「……」
スタスタと歩こうとする真由美だったが、今度は反対に忍足が立ち止まっていて振り返った。
真由美「侑士くん…?」
忍足「それって……いつの話?」
真由美「え?」
いきなりの言葉に何のことだかわからない。
忍足「天ちゃんが岳人と出かけたっつーのはいつの話しや?」
真由美「あ……えっと、ABCオープンの前の日、かな」
忍足はその場に立ち尽くして動けないでいた。
真由美「ゆ、侑士くん?具合でも悪い?」
忍足「いや……(岳人の出かけた相手って天ちゃんやったんか)」
真由美「侑士くんー?」
忍足「(と、言うことは岳人の好きな子って……)」
真由美「??」
忍足「(天ちゃん)」
恵利華「……」
テニスコートで仁王立ちしている恵利華は不機嫌だった。
恵利華「やる気がないならコートから出てくれる?もうすぐ全国大会なんだから」
恵利華の態度に真由美は侑士くん調子が悪いみたいでとフォローを入れる。
忍足「テニスコートで言い訳なんかしたらそれこそ姫さん怒らすわ。確かに俺が悪いし、天ちゃんありがとう」
真由美「侑士くん……あ、保健室行く?私先生呼んでくるね?」
忍足「天ちゃんはどこまでも優しいな」
真由美「え?あ、あの……どうしたの?大丈夫?」
忍足「(あー……なんで姫さん好きになったんやろ。今の俺には天ちゃんが……って!俺何考えとるんや!)」
真由美「侑士くん、ちょっとごめんね」
真由美が背伸びをし、忍足のおでこに手を伸ばす。
忍足「へ?何を……って天ちゃん!?」
真由美「きゃ!?」
『ドザッ』
恵利華「真由美!?」
驚いた忍足が後ろに下がり、その下がった方向へと真由美の体は傾き、一緒に地面に転がった。
忍足「大丈夫か!?」
真由美「ゆ、侑士くんこそ……私が急に近付いたから、ごめんなさい」
タタタと恵利華が駆けつけた。
恵利華「ちゃんと受け止めなさいよ!真由美が怪我したらどうするの!全国大会近いのに!」
忍足「いや……あの、戦うの俺の方……」
俺に対する姫さんのこの扱い……
真由美「私は大丈夫だから」
忍足「ぷっ、あはははは」
「「!?」」