56.鬼と天使
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真由美「シンクロかぁー……」
忍足「真由美ちゃん?」
シンクロするぜ!とそそくさと駆け出して行った奈央と和恵の後ろ姿を見ながら呟いた。
真由美「私と侑士くんもシンクロできるかな?」
忍足「え……?」
思わず赤くなった忍足の顔に、真由美はあたふたした。
忍足「全国大会終わったら、それも練習しよか」
真由美「シンクロ!?」
忍足「いや、ダブルス」
真由美「あ、はは……う、うん!宜しくお願いします!」
忍足「いや、誘ったん俺やしこっちこそ宜しくな」
楽しそうに会話する忍足と真由美に入れなくなった向日。
『ぷにっ』
向日「!」
ほっぺたをつつかれ振り返ると恵利華の姿が。
恵利華「私とダブルス組む?」
向日「いや、それはちょっと……「向日!コートに入れ!」なっ、なんで跡部となんだよ!恵利華」
恵利華「なぁに?」
向日「さっきのぷにっつーの、跡部にもしてやってくれよ(なんか眉間にシワがよってるし)」
恵利華「だって向日くん、私と身長一緒なんだもの。……ひーよ!」
『ぷにっ』
日吉「ちょ!何するんですか!」
恵利華「向日くんにフラれたの」
日吉「そうですか。じゃあ俺とダブルス組みますか?」
恵利華「え!」
忍足「なんや姫さん、ロマンティック浮かれモードみたいになってるやん」
真由美「(全国大会終わったら侑士くんと練習かぁ〜!)」
忍足「天ちゃ……って天ちゃんもかいな」
全国大会まで残り3日。今日も平和に練習をしていた。
日吉「恵利華さんダブルス全然ダメですね」
恵利華「うっ……」
思わず涙目になる恵利華に日吉は焦った。対戦相手の芥川と樺地も思わず苦笑いだ。
跡部「どうした?」
恵利華「景吾くん……」
事を察した跡部は恵利華に少し休むように言った。
跡部「日吉、恵利華のフォローもできないなんてまだまだだな」
フッと斜め上から放たれた一言にムッとして睨み返すが、返す言葉もなかった。
日吉「それより恵利華さん、コートから出て行きましたけど大丈夫ですか?」
跡部「っ!」
このギャラリーの数だ。
マネージャーは1人でコート内から出ないように言われてるが、傷心の恵利華はスタスタとコートから出てしまった。
『どんっ』
恵利華「あ、ごめんな……え?」
人混みに紛れてぶつかった相手を見て驚いた。
恵利華「幸村くん……」
どうしてここにと目を丸くして言った。
幸村「あぁ、病院に行った帰りにちょっと寄ったんだ。」
恵利華「病院……大丈夫なの?」
幸村「もちろん。もう何も心配ないよ」
恵利華「よかった……」
幸村「ふふっ、それよりどうして泣いてるの?」
恵利華「私、ダブルス向いてなくて……」
幸村「ふーん。それなら今度俺と組んでみる?」
恵利華「えっ!」
ここにある意味最恐のダブルスが出来上がろうとしている。
幸村「機会があればやってみようよ!真田達も呼んでさ」
そして対戦相手も濃いメンバーだ。
恵利華は笑って頷いた。