「くそ！俺たちはレギュラーになれないのか！」


真由美「……」


テニスボールを運ぶ真由美に群がる部員達。
しかし真由美は悔しがる部員の声を拾い、スタスタと近づいた。


真由美「諦めるの？滝くん」


滝「真由美ちゃん……」


準レギュラーコートは真由美の登場に湧き上がったが、滝が静止した。


滝「監督に言っても、今レギュラー変えることは考えていないって。確かにレギュラー達は凄く強くなったし、勝てないかもしれない。」


真由美「うん」


滝「負けるのもわかってるつもりだけど……」


真由美「負けたら、いいんじゃない？」


滝「え？」


滝は目を見開いた。周りも騒つく。


真由美「だって負けたからと言って弱いわけじゃない。負ける事で次のステップに進める事もあるし……」


滝「負けは、弱いわけじゃない？」


真由美「負けたまま這いつくばってたら、弱いままだけどね！」


滝「そ、そうだね。俺、試合してくれるように頼んでみるよ。」


向日「じゃあ俺が相手してやる」


滝「岳人！」


真由美「向日くん」


真由美がボール運んでるのが見えて駆けてきた向日だったが、今の会話を聞いていた。


向日「他のメンバーは最終調整入った奴らもいるし……」


ストレッチをする向日に真由美がお礼を言った。


向日「どこまでみんなを気にかけるんだよ。真由美や奈央のお節介が移っちまった」


真由美「ふふふっ」







恵利華「奈央、和恵」

和恵「！」

奈央「どうしたの？」


ダブルスの練習中に恵利華から呼び出され、駆けつける2人。


恵利華「シンクロの事だけど……」


和恵「？（何か知ってるのかな？）」

奈央「（恵利華……ウチらを励ましてくれるんじゃな）」



恵利華「全国大会で必要になりそうだから、大会入る前に使えるようにしといてね」



和恵「うえっ！？」

奈央「自在に！？」


恵利華「きっとできるよ！2人なら、ねっ！」


和恵「き、奇跡を起こせと……」

奈央「和恵！練習じゃ練習！おーい！亮ー！」


宍戸「なんだよ？」


奈央「奇跡起こすの手伝って」


宍戸「え」


和恵「まだまだダイヤモンドコンビの異名は渡せなくなったー！」


鳳「え、えーっと俺達が2人の意思を継いで……」


「「その話はなかった事に」」


宍戸「はぁ！？」