大石「手塚、審判を頼めるか？」


手塚「…わかった。ただ…本気なんだな？」


大石「…あぁ。桃、始めよう！」


桃城「…はい。」



『パァァン』

『パァァン』


菊丸「…………！」


コートに行くと菊丸がコートを食い入るようにみていて、奈央は自分を取り巻く周りの声が聞こえなかった。


奈央「ウチ…なんで大石が試合してるのかわかんない…」


乾「……そう…だな。」


菊丸「…………っ…！」


『ガシャン』


奈央「！？」


菊丸「大石！冗談だよな？」


大石「……（英二…）はぁあっ！」


菊丸「何全国前に遊んでるんだよ！ずるいぞ！おーいし！」


手塚「ゲーム桃城ま2-0」


大石「…………」


菊丸「…………」


『パァァン』

『パァァン』


手塚「ゲーム桃城4-0」



奈央「（何だかもう観てられん……）」


菊丸「大石……それ…



何の試合だよ！！一緒に全国のナンバーワンダブルスになろうって言ったじゃんよう…


大石のバカヤロウ―！！」




越前「猿山の大将とお姫さんに伝えといて」


奈央「な、何を？」


越前「俺達はまけない」


奈央「っ」



「奈央っ」


タタタ......と駆けてくる足音に奈央は振り返ろうとしたが、体が動かない。


『ポンッ』


奈央「！」


奈央の頭には帽子が。


宍戸「いつもの調子で言い返してやれよ！勝つのは氷帝、だとよ」


奈央「亮……練習は？」


宍戸「あぁ！？お前が気になって集中なんてできるかよ！」


奈央「えっ……」


「ねぇ、2人っきりの世界作ってるところ悪いんだけど」


「「なっ！」」


越前「ここ、青学なんだけど」


奈央「うっウチ、帰る」



「「えー！？もう帰っちゃうのー！？」」


宍戸「なんだよ、このギャラリー……」


そのギャラリー達はなんだこの男はと思っているに違いない。


奈央「（な、なんか調子が狂う）」


宍戸「ちょ、待てよ奈央」


奈央「（ウチの事が気になって集中できない、か）」


宍戸「奈央！」


スタスタと足早に歩く奈央に、必死に着いていく宍戸だった。