奈央「ウチが行くから」




55.生意気とやる気



ノートをバタンと閉じて、奈央は言った。


奈央「恵利華は氷帝にいなきゃダメじゃと思う。真由美と和恵なら怪しいけどウチはデータを口実に潜入できる」


和恵「奈央、また試合するんじゃ……」


和恵の言葉に恵利華の目つきが変わった。


奈央「しないしない！絶対しないけぇ！」


ブンブンと顔を左右に振る。


奈央「ウチは恵利華や真由美みたいに部活でできる事ってそんなにないと思っとった。けど今日の試合でわかったんじゃ！ウチにもまだ何かできるって！」


真由美「奈央……」


奈央「この青学の事もそうじゃし、何かせずにはいられない。後悔したくないんじゃ」


真由美「確かにランキング戦の後に試合するって何かあるよね……」


奈央「その何かもきっと……青学の強さだと思う。」




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和恵「……と言うわけで奈央は青学に行った」


宍戸「あいつ、また無茶するんじゃ……」


和恵「心配なら部活抜け出しても構わないって。恵利華が」


鳳「えっ、恵利華さんがですか？」


和恵「うちもびっくりしたけど……どうする？」


宍戸「……」



榊「集合だ！」

「「「はい！！」」」


榊「いよいよ全国大会まで残り僅かだ！そこで…本日はラリーを行う。名前を呼ばれた者はコートに入れ。」


向日「（ラリーなんて…いつもやってるじゃん）」


榊「ただのラリーではない。負けた方はグラウンド10周だ」


「「「！？」」」


榊「よし、ではAコート、忍足、樺地…行ってよし」


忍足「樺地、手加減はせぇへんで。」

樺地「望む…ところです。」


榊「Bコート、宍戸、鳳、行ってよし!!」


鳳「あ……」

榊「どうした？」

鳳「宍戸さんは……」


言いかけたその時、恵利華が割って入った。


恵利華「私が宍戸くんの代わりにコートに入ります」


榊「そうか」


鳳「え、恵利華先輩が……？」


恵利華「どうしたの？」


鳳「い、いえ！何でもありません！」


和恵「（どんまい、長太郎……）」


榊「真由美はAコート、和恵はBコートの審判を頼む。では…ラリー開始」

「「「はい！！」」」




和恵「長太郎ー！グラウンド10周走る体力残しとけよー！」


鳳「うっ（いくら恵利華先輩でも俺のスカッドサーブには……）一、球、入、魂っ！！」

『パァァン』


恵利華「……」

『パァァン』


鳳「えっ」