奈央「ﾊｧ…ﾊｧ……ﾊｧ…」


忍足「大丈夫か？足止まってるで」


奈央「（なんでこんなに…強く…）」


忍足「女の子には…負けへん。」


奈央「ﾊｧ…ﾊｧ…」






和恵「ﾊｧ…ﾊｧ…（元陸部のうちが…息切れ！？）」


向日「………」


和恵「（向日…いつの間にこんなに体力が…！）」


榊「奈央、和恵」


奈央「な…ﾊｧ…に…ﾊｧ…」

和恵「………？」


榊「忍足、向日！そのままラリーを続けろ」


「「はい」」


奈央「…どうしたんですか？…」


榊「お前達は今まで、よく練習に付き合ってくれたな。」


和恵「したかったから…」


奈央「うん…」


榊「そうか。…お前達は、小5と中学だったな。テニスを始めたのは。」


奈央「はい…」


榊「無理をしなくていい。男子と女子の差が出たのだろう。よく今まで戦ったな。」


奈央「ダブルスなら負けないのに……っ」


和恵「…（く、悔しい）」


榊「（真由美は……）」




真由美「はぁぁっ！」

『パァァン』


日吉「くっ！（逆サイド……！）」


和恵「真由美、さすがにうまいよね」


奈央「そうじゃな」


「「悔しいな……え？」」


和恵「ちょっ！ハモんな！」


奈央「ウチら一心同体じゃしね～♪」


和恵「気持ち悪いこと言わないで！」


2人汗を拭いながら真由美達の試合を見ていた。


奈央「でも、ウチ今は和恵の気持ちわかるけぇ。いくら男と女っていっても悔しいよね」


和恵「まぁね」


奈央「和恵はあまり話さないけどさー、それでもテニスの事になるとわかる。今だって心が通じ合ってる気がする」


和恵「……」


奈央「あれ、気持ち悪いって言わないんだ！」


なーんてね！と奈央は和恵の前に立った。


奈央「和恵もそう思ってくれとるって事じゃろ？」


和恵「うっ……」


和恵は奈央から目を反らした。


奈央「照れとるな」


和恵「太陽が眩しかっただけだし」


奈央「太陽ってウチの事じゃろ」


和恵「過大評価し過ぎ！」


奈央「それがウチじゃ♪さぁ、行こう！」


和恵「どこへ？」


奈央「ダブルスのコートじゃ！ウチらにはシングルスのコートは狭すぎるけぇ！」


和恵「そだね」


先生ー！と奈央が呼ぶ。


榊「今から宍戸、鳳ペアと試合だ」