51.放課後シュークリーム
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奈央「和恵が......!」
鳳「どうしたんですか?」
部室の前に奈央が立っているので少し残って練習をしていた宍戸と鳳は入れないでいた。
奈央「亮ー!」
宍戸「なっ、なんだよ!」
聞いてくれと言わんばかりに奈央は宍戸に駆け寄った。
奈央「和恵がウチを置いて帰った!」
宍戸「あー......用事でもあったんじゃねーの」
奈央「ウチと帰る事より大事な用事って何!?」
宍戸「知るかよ」
宍戸の言葉に奈央は部室側から離れる気配はない。
奈央「亮......冷たい」
宍戸「し、知らねぇよ!」
鳳「(やっぱり様子が変だな)あ、奈央さん俺たち何か食べに行こうと思ってるんですが一緒に行きますか?」
奈央「長太郎、夏休みの宿題終わった......?」
鳳「え、えぇほとんど終わりましたけど......」
奈央「うっ」
宍戸「おいおい、まさか全く手をつけてねぇなんて事......」
宍戸が言い終わるまでにウチ、今日は帰るね!とそそくさと帰って行った奈央。
鳳「え......丸々......!?大丈夫ですかね、宍戸さん......」
宍戸「あいつ頭は良いんだ。まぁ、大丈夫だろ」
鳳「やっぱり奈央さんの事よくわかってますね」
宍戸「......まぁな」
丸井「ジャッカル急げ!」
桑原「急げってブン太が電話してたからだろ!」
丸井は1日限定50個の甘味を求めて急いでいた。1人2個までという事もあり、2つじゃ足りないと駆り出されたのがお人好しの桑原だ。
少し前に丸井は急いでいたが、携帯を手に立ち止まった。
その時間は5分程だったが、その時間さえも惜しいはずだと不思議に思った桑原だが、すぐに合点があった。
桑原「誘えたのか、和恵」
丸井「なっ......!」
桑原「そりゃ、海原祭のチラシ食い入るようにみてたからな。気付いてないのは赤也くらいだ」
丸井「......そうかよぃ」
あー!とバツが悪そうに前を見た。
すると驚くほどの長蛇の列ができていた。
桑原「......こりゃ無理なんじゃねーの?」
丸井「ここまで来たのによぉ~」
力が抜けて立ちすくんだ。
それと同時に店員が完売を告げた。
桑原「......残念だったな、ブン太」
付き合い労いの言葉をかける辺り、桑原は良い奴だ。
丸井はボーッと店頭入り口を見ていた。が、大きく目を見開いた。
「最後に買えてよかったねー、和恵ちゃん」
「うまいし!なんなのこのシュークリーム!」
丸井「和恵!」
和恵「!」
そこには嬉しそうにシュークリームを持って店から出た芥川と和恵の姿が。
和恵は驚きのあまりシュークリームを落としそうになり、対して芥川はキラキラと目を輝かせていた。
芥川「あー!丸井くんだー!」
おー、と芥川に返事をするものの視線はシュークリームから離れない。
芥川「ひとつあげようか?」
丸井「マジ!?」