48.幸村とデート~姫編
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真田「な……なんだ今のは…!」
ラリーは真田が圧していた。
だが、今の跡部の打球に反応できなかった。
息を切らし苦しそうだった跡部がうっすらと笑う。
あまり面白くない様子でスポーツドリンクを飲む真田に、跡部は携帯を片手にラリーはお預けだと帰り支度を始めた。
どうやらかなり急いでいるようで、真田の制止も虚しくすでに跡部の姿はなかった。
真田「なんなのだ、アイツは…」
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恵利華「あ……景吾くん…?」
跡部「!」
車を回そうと電話を手に取るが、一足遅かったようだ。
跡部「幸村は…」
恵利華「さっきお別れして……」
跡部「何か……あったのか?」
恵利華の表情が曇っているのが目に見えてわかる。
跡部「まさか幸村に何かされたんじゃねーだろうな!?」
肩を掴む手に力が入る。
恵利華は跡部をキョトンとした表情で見つめた。
こんなに余裕がない跡部を久しぶりにみる。
ちょうど車が到着し、乗り込もうと方向をかえた跡部の服の袖をつかんだ。
跡部「……恵利華?」
こんなにも心配をかけていたなんて、申し訳なくて頭が上がらない。
恵利華「幸村くんに……告白されたの…」
跡部「……っ」
予想はしていた。
だがあまり考えたくはなかった事だ。
跡部「…返事は……」
振り返ると恵利華は今にも泣きそうな顔をしていた。ゆっくりと車に座った恵利華はギュッと拳を握る。
恵利華「私……幸村くんの気持ちに答えられなかったの…」
跡部「(返事を、したのか……)」
意外だった。
恵利華がハッキリと答えた事に......
ゆっくりと首を縦に振る恵利華に俺は単純に怖くなった。
NOと言われる事もあるんだな、と。
跡部「そうか」
これ以上の言葉は出なかった。だが、安心したのか力も抜けた。
思えば全力で走り、真田と試合をして今日の体力を使い果たしたように思う。
何をやってたんだと自分に少し笑みが溢れた。
恵利華「け、景吾くん......?」
跡部「何でもねぇ」
突然の反応に恵利華は不思議そうに見た。きっと俺の苦労などわかっちゃいねぇ。好きな女に振り回される俺の感情など知りよしもねぇだろうな。
恵利華「.........。」
跡部「......?」
それにしても幸村の告白に答えられねぇ事が、こんなにも尾をひくのか......?
跡部「告白なんて、珍しい事じゃねーだろ?」
あまり気にはしてないが、少なくとも毎日誰かからラブコールは受けていたはずだ。
それとも......
跡部「幸村の告白がそれほど特別な事だったのか......?」
恵利華の表情に聞かずにはいられなかった。
跡部「幸村に......気があるのか?」
俺の言葉に顔を上げて目が合った。
跡部「!」
左手に俺の体温とは違う温もりが伝わった。
跡部「っ」
まさか恵利華から手が繋がれるなんて言葉が出ない。
恵利華「幸村くんは、美並ちゃんと被せて彼自身をみれなくてとても悪い事をした......。」
跡部「......好きになった奴と全部が全部、上手くいくわけねぇ。幸村もそれくらいの覚悟はあっただろう。恵利華がそんなに落ち込まなくても大丈夫だ。」
単純に慰めて欲しいのかと俺はやっと恵利華の手を握る事が出来た。
だが同時に幸村の事で頭がいっぱいな恵利華をみても面白くなかった。
跡部「少なくとも、今幸村の事で頭がいっぱいなのはアイツの狙いかもな」