48.幸村とデート~姫編
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忍足との電話の後、俺はジャージに着替えて外へと走り出していた。万が一幸村が……
そう思うと気が気じゃなかった。
何回も携帯を手にしては画面を閉める。
合宿の時に止めていれば…行くなと一言いえば…なんて俺らしくもない。
跡部「(何やってんだ、俺は…)」
恵利華の事になると全く余裕がなくなる。
笑っちまうぜ
「跡部か」
頭上から声がして見上げると意外な男の姿があった。
跡部「………真田」
どうやら立海近くのテニスコートに来たらしい。
跡部「1人か?」
真田「赤也達なら試合を観てるだろうな」
跡部「なるほどな」
てっきり恵利華は試合を観に行くのだと……
真田「……どうした?具合でも悪いか?」
跡部「いや。真田、少し付き合え」
真田「…………。」
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恵利華「それでね、美並ちゃんってば髪の毛が緑色だから植物園にいると同化しちゃって…」
幸村「ふふっ…美並さんって面白い人だね」
恵利華は幼馴染みの事を良く話してくれた。凄く楽しそうで、あぁ本当に仲良かったんだなと微笑ましいけど
恵利華「花言葉も美並ちゃんに教わったの。」
幸村「そうなんだ。……ねぇ恵利華の事が知りたいな。」
恵利華「わ、私の事…?」
恵利華は目を丸くして言った。
幸村「うん。どんな花が好きかとか、そうだな好きな男性のタイプ……とか」
恵利華「えぇ!?」
幸村「恵利華の驚いた顔、初めてみたよ。」
恵利華「……」
植物園の中にある、軽食を食べて森林浴をしていると幸村くんは楽しそうに話しかけてくれるけど……
恵利華「えっと……」
幸村「驚いている恵利華も、困ってる恵利華もとても魅力的だな」
恵利華「ありがとう…」
これ以外返す言葉が見当たらなくて、何だか会話が続かない。それに先程からうるさいくらい携帯が鳴っていて……
恵利華「(誰だろう…)」
気になるけど、幸村くんに悪いかな?
幸村「携帯……鳴ってるよ?」
恵利華「ちょっとごめんね」
携帯を開くと目に入った跡部景吾の文字に思わず胸が傷んだ。終わったら連絡すると言ったけど…
彼は今どんな気持ちで待っているんだろう。
幸村「……跡部かい?」
恵利華「あ……うん。でも、少し時間が経ってるから」
後は真由美からの試合結果が送られてきていた。幸村くんはガタっと立ち上がり連れて行きたい所があると、手をとって進み始めた。
恵利華「ゆ、幸村くん…?」
幸村「…………。」
彼は無言でスタスタと歩きだし、いつもの柔らかい雰囲気とは違い、凛としたオーラになにも言えない。この後ろ姿はまるで……
幸村「話があるんだ。」
恵利華「(ここは……)」
たくさんのクローバーに囲まれて、向日葵が咲いている。美並ちゃんが好きだった場所……
「恵利華もいつか、この花を手渡してくれる男の子が現れるのかな?」
「この花…?私に?」
「えぇ。私の好きな花なの。花言葉は…………」
幸村「恵利華、聞いて欲しい。初めて君をみた時から、ずっと君の事が好きなんだ。俺と……付き合って欲しい。」
クローバーの……花束…
恵利華「っ、」