恵利華「和恵ちゃん」


和恵「おー、お疲れ！うち、じゃあ行くわ」


丸井「さんきゅーな、和恵！」


桑原「マジで助かった。」


ひらひらと手を振って去って行く和恵。


仁王「……（ありがとうな、和恵）」


柳生「仁王くん、次はあなたの試合でしたね。対戦相手は六角のきさらず「悪いんじゃが、柳生が代わりにでてくれんか？」なっ！仁王くん！！」

奈央「よっ！」



仁王「お前さん」

柳生「奈央さん！」


奈央「悪いんじゃが、試合代わりにでて欲しいんじゃが！」


柳生「ななな奈央さん！？」


仁王/奈央「のう？やーぎゅ」


柳生「あなたたち…」



切原「……あり？みんなどうしたんすか？」




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ベンチに腰をかけ、ドリンクを飲んでる恵利華。


和恵「真由美は？」


恵利華「……ねぇ、和恵ちゃん。」

和恵「んー？」


恵利華「昔、美並ちゃんが言ってたの。真由美の冷酷非常テニスを越えた先が楽しみって」


和恵「去年っけ？真由美の冷酷非常テニスが始まったのって…」


恵利華「えぇ。去年の全国大会で「恵利華」あら？」


手塚「少し話さないか？」


和恵「ヒーローインタビュー！受けてあげれば？」


恵利華「…………」




奈央「ウチ、ナイスじゃったじゃろ？」

ロッジの方へ向かう奈央と仁王。


仁王「なんじゃ、呼び出して」


奈央「なんかさ、上の空だね！」


仁王「お前さんも、恵利華をみてる時は上の空じゃし、真由美をみてる時はニヤニヤしとる」

奈央「！」


一瞬目を見開く奈央


奈央「……和恵は？」


仁王「さぁの」


顔を背ける仁王に向き合う奈央。


奈央「今更じゃけど、和恵は恋なんてしたことなかったと思うし……どうすればいいかもわからんかったと思うけど」


仁王「今更、じゃの」


奈央「うん、でもさ……知ってた？和恵が仁王に惹かれ始めてた事」


顔を上げ、目を見開く仁王に目をそらさない奈央。


奈央「ウチは……寂しかったんじゃ。和恵、なんも言うてくれんし……」


仁王「（俺はてっきり、和恵が無理して付き合ってるとばっかり……）」


奈央「ウチには無理矢理付き合わされてるようには見えんかっ」

走り出した仁王の後ろ姿をみる奈央



奈央「頑張れ」



「いいのかよ」


奈央「亮！」


宍戸「覗くのは趣味じゃねーけど、タオルとりに来たら聞こえちまって……」


奈央「和恵の悲しそうな顔はみたくないんじゃ」


宍戸「ほんとはよ、和恵に彼氏が出来るのが一番寂しいんじゃねーか？」


奈央「！」


なんで亮はウチの事……


奈央「まさか……これが『同調（シンクロ）』！？」

宍戸「はぁ！？」


奈央「雑誌でみたんじゃ！ダブルスの究極！ウチ、絶対マスターするんじゃ！」


宍戸「ダブルスの究極……」


奈央「亮！夕日に向かって走るけぇ！」


宍戸「まだ夕日出てねぇし」


奈央「亮ー！」


宍戸「ったく、同調（シンクロ）しろよな」