宍戸「どうした、長太郎！これ位でへばるとはだらしねぇぞ！」


鳳「は、はいっ！宍戸さん！」



奈央「あれは……」




―海岸




宍戸「よーし、これで上がりだ」



鳳「は……はい」



奈央「お疲れ様！2人共っ！」



宍戸「のぁ！？奈央……」


鳳「奈央先輩、青学担当じゃなかったんですか？」


奈央「担当っていってもみんなバラバラで練習しとるしね！それより、タオルと水っ」


宍戸「おっ、そいつは気が利くな」

鳳「ありがとうございます」



奈央「それにしても……2人は仲が良すぎじゃけぇ…ここに来ても一緒に練習…」


宍戸「…奈央もダブルスやってるからわかるだろ？」


鳳「出来るだけ呼吸を合わせないといけないですからね」


奈央「(そこまで……しないといけないのかな…？)」


和恵「おーい！」



鳳「和恵先輩……海側から…？」


宍戸「比嘉中はどうした？」



和恵「うちに抜かりはない！…で、まーた2人で練習してんの？あんたら…出来てるんじゃない？」



宍戸「はぁ！？」
鳳「和恵先輩…」



和恵「だって一緒に居すぎだし！何かある…」


奈央「………。」


宍戸「あのなぁ」

鳳「宍戸先輩は大体シングルスだったから」



奈央/和恵「「え？」」



宍戸「俺と長太郎はちょうどお互いの弱点を補いあえる組み合わせだったからな」



和恵「なんだ……つまらん」



宍戸「あのなぁ……まぁ、出会ってそれほど経ってねぇもんな」



奈央「それが見事にハマったペア……か。ダブルスにもいろいろあるんじゃね」


和恵「うちらはお互いガンガン攻めるタイプだからね」



お互いのダブルス議論はまだまだ続いた。



宍戸「お前らのダブルスも中々いけてると思うぜ」


奈央「ウチは粗捜ししとる時もあるけどね」


和恵「あっ！うちそろそろいかんと！」


鳳「また試合しましょうね」


和恵「オッケー！」

　

そして和恵が向かった所は……



木手「さて、我々は自給自足の生活をしなければなりません。あの跡部くん達から食料をもらう訳にはいきませんからね」


甲斐「だよなー」

平古場「ま、食料調達はお手の物だしな」


和恵「へぇー、そうなんだ～」



木手「……ところで、関係のない人間が約1名、紛れ込んでいる様ですが」


和恵「え？もしかしてスパイが！？」


木手「キミの事ですよ」



和恵「は？うちは関係大有りだし」


木手「何を根拠にそんな事を」


和恵「うち、比嘉中担当」



平古場「…別にいいんじゃないの、永四郎。手伝ってくれるって言ってるんだからさ」


甲斐「気にしなくていいだろ」



木手「……まあいいでしょう。足手まといにならない様にしてください。いいですね？」



和恵「余裕だし」




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和恵「ゆーじろー何か釣れたー？」


甲斐「名前で呼ぶなよ。ほらっ」


和恵「げっ、タコ！？気持ち悪い…」


甲斐「あのなぁ……」



木手「こんな所で油を売ってないで、キミも魚位とりなさいよ」


和恵「まかせろ！」



『タタタタ……』



甲斐「大丈夫か？あいつ…」





和恵「ん～…」


平古場「何やってんだ、お前」


和恵「ハゼを釣ろうと思ってるんだけどね～…全然釣れない」


平古場「ハゼを？ハゼはダボハゼと言って、いくらでも釣れる魚だぜ。……お前、ものすごくヘタっぴなんじゃないのか？」


和恵「げ！うそ」


平古場「ちょっとみせてみろ……。餌がないぞ。カワハギに食われたんだな。まぁカワハギのアタリを察知するのは素人には無理よ」


和恵「チッ」




木手「おや？なかなか強い引きが来ている様ですね」


和恵「あっ！木手っ、助けて！海に引きずり込まれるー！」


木手「オーバーな……どれ、貸しなさい。……むっ！？こ、これは確かに強烈な引きですね」




和恵「釣りってこんなに危険だとは思わなかった……」