奈央「このランチ美味い！」



向日「だろ？俺もオススメ！和恵も来ればよかったのになー」



芥川「(ﾋﾟｸｯ)和恵ちゃん…？」



宍戸「誘ったのか」



向日「でも来なかったし、様子がおかしかったな。」



宍戸「恵利華は跡部がベッタリだしな」



奈央「亮！なんで恵利華が跡部と勉強する事になっとるんじゃ！」



宍戸「詳しくは知らねぇが、最近は跡部がよくAクラスまで来るな」



奈央「じゃから最近授業が終わったらすぐ教室出ていっとったんじゃな！変な事したら殺す…！」



宍戸「落ち着けよったく。……おい、慈郎、こんなとこで寝るなよ」



芥川「zzZ」



向日「慈郎、最近寝てばっかだな。急に元気なくなるし……」



奈央「元気ない…。もしかして……」



宍戸「奈央？どうした？」



奈央「芥川、和恵の事知って……。………よしっ！」



向日「お前…何する気だよ…！」



芥川の耳元まで顔を近付ける奈央。

そして……



奈央「……芥川コラァ起きんちゃぁぁああい」



芥川「(キーン)」



一気に注目を集めた奈央。



宍戸「おい、ここ食堂…」


向日「いや待て亮、ここは奈央に任せてみようぜ」


宍戸「そう…だな」



何やらコソコソと話す2人と、ゆっくり起き上がる芥川。



芥川「な…何するのι」



奈央「………。」



ようやく奈央と目を合わせた。
　

奈央「芥川、和恵の事聞いた？」



芥川「和恵ちゃんの事……たまたま生徒会室で寝てて、跡部と和恵ちゃんが話してた」



奈央「そっか。それで悲しい？」



芥川「わからないＣ～…」



向日「慈郎…」



奈央「わからないから、中途半端になるんじゃ。気持ちに向き合うのはしんどいけど！ちゃんと向き合わないと、周りの人まで苦しくなるけぇ！」



芥川「周りの人…？」



キョロキョロと回りを見渡す



宍戸/向日「｢……。｣」



芥川「亮…岳人……」



奈央「それに芥川がそんなだと、和恵だって喜ばない。」



芥川「…俺、いつもなら寝ても覚めるのに、モヤモヤだけは消えなくて……奈央ちゃん、どうしたらいい…？」



奈央「そんなの決まっとるじゃろ！好きな人の幸せを…自分の幸せと考えたらいいんじゃ！」



芥川「和恵ちゃんの幸せを？」



奈央「そうじゃ！難しいし、時には挫けそうになるかもしれん…。じゃが、これは恋人じゃできん！芥川は、和恵の何をみたら幸せになれる？」



芥川「………。」



和恵「ジロー！」



芥川「笑顔…俺、和恵ちゃんが笑ってるだけで嬉しいＣ～！」



奈央「そっか。ウチもじゃ。それだけは絶対に譲っちゃだめじゃよ！いくら彼氏でも！」



向日「奈央……」



宍戸「………。」



芥川「和恵ちゃんの笑顔だけは譲らない……そっか！ありがと！奈央ちゃん！」



笑顔になった芥川に、向日と宍戸は目を合わせた。