21.余韻
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それぞれ別の部屋に案内された3人。
真由美「みんな頑張ってたな……優勝…」
真由美は頬杖を付き、窓から星を眺めていた。
真由美「…よしっ!」
窓から離れ、机に向かう真由美。
大きな鞄からユニホームを掻い潜って、取り出したのは運動生理学の教科書。
真由美「………。」
静かに真由美はその教科書を覚え始めた。
『コンコン…』
真由美「………。」
『真由美ちゃん…ちょっとええか?』
真由美「え?」
ボキッと芯が折れ、真由美の手が止まった。
忍足「ああ、堪忍な。勉強しとったんか」
真由美「い、いいの!どうしたの?」
サッと教科書をとじ、その拍子に消しゴムが床に転がった。
忍足「一言、お礼が言いたかったんや。」
そんな真由美に微笑み、消しゴムを拾う忍足。
真由美「お礼…?」
忍足「今日勝てたんは、お嬢さんのおかげや。ありがとうな真由美ちゃん。」
真由美「侑士くん…」
忍足「俺、もっと上へ行けそうな気がするわ」
真由美「…いけるよ!真由美が…」
言いかけて恥ずかしくなったのか、真由美は視線を落とした。
忍足「お嬢さんは……可愛いな」
真由美「え!」
かぁぁっと赤くなる真由美の頬。
忍足の大きな手が、そっと真由美の頭を包み込んだ。
忍足「無理しなや?おやすみ」
真由美「お……おやすみなさい…」
恵利華「はー!夜風が気持ちいい」
「冷えるぜ?ったく恵利華は抜け出すのが得意だな」
恵利華「景吾くん……どうしたの?」
跡部「また迷子になってるんじゃねぇかってな」
恵利華「迷子になんてならないわ!」
もう!と頬を膨らます恵利華に跡部は真剣な表情へと変わった。
跡部「恵利華、今日幸村の手術に行ってたのか?」
恵利華「あ…うん。間に合わなかったけどね」
跡部「もう心配はいらねぇそうだ。……良かったな」
恵利華「うん。……ねぇ、今度一緒にお見舞いに行かない?」
恵利華の言葉に、跡部は驚いた表情をみせた。
恵利華「幸村くん、景吾くんが行ったら喜ぶと思うな!それに……」
跡部「それに…なんだ?」
屋敷に向かって歩き始めた恵利華が、くるっと振り返った。
恵利華「宣戦布告!…今年は氷帝が優勝するんだーってね」
タタタと駆け出した恵利華に、跡部はフッと笑みをこぼした。
跡部「恵利華」
恵利華「え…?」
跡部「…いや、何でもねぇ。早く寝ろよ」
恵利華「うん。和恵ちゃんの取り調べが終わったら寝るよ」
跡部「あいつ、立海に行ってから楽しそうだな。恵利華は……」
『ガバッ』
恵利華「景吾く…」
跡部「俺様といる方が楽しいだろ?」
ギュッと後ろから締め付ける跡部の腕
恵利華「そうね。立海の人達のテニスは、何だか勝ちに執着しすぎてて苦しくって…」
跡部「アーン?そういう事じゃね…『スルッ』おい!」
腕の力が抜けたと同時に、恵利華は跡部の腕から抜け出した。
恵利華「…景吾くんといるの、楽しいよ?」
『タタタタタ……』
跡部「ったく…」