恵利華「すぅ……すぅ…」



真田「(思ったより…柔らかいな。それに…)」



恵利華「………。」



真田「(シャンプーの匂いだろうか…良い匂いがするな)」



和恵「恵利華のシャンプーは跡部が取り寄せしたのだから」



真田「………？」



和恵「…全部口に出てたから」



真田「そ、そうか。遅かったな。迎えは来るのか？」



和恵「うん。…あ、真田に寄り掛かってる所を見られると、ややこしい事になるかもしれないから、うちが引き取る」



真田「どういう事だ？」



「和恵ちゃぁあ～ん！」



和恵「あ、ジロー」



芥川「和恵ちゃん、早くパーティーに行くＣ～！…あれ？恵利華ちゃん寝てるの？俺がおんぶしてあげるＣ～」



跡部「退いてろジロー。真田、世話かけたな。……よっと」



跡部が恵利華を抱き上げた。



真田「いや、大丈夫だ。それより全国では借りを返す」



跡部「ハッ、やってみろよ。よし行くぞ」



和恵「あ、幸村くんに宜しく！じゃね」



『タタタタタタ……』






【車内】



芥川「ね！ね！みんな凄いんだよ！歌、大合唱！」



和恵「大合唱？」



芥川「あれ？ダンスパーティーだったっけ？」



和恵「え～？」



跡部「ったく、ジローは和恵がいると覚醒しっぱなしだな。それより和恵、何かあったのか？」



和恵「え、うち！？」



跡部「アーン？恵利華がな、日吉の試合の時から元気がなかった。何か知らねぇか？」



和恵「あ、恵利華ね！えと…うちらの部長が、幸村くんと被ったんだと……思う」



跡部「どういう事だ？」



和恵「決勝の後の手術で……亡くなったから。恵利華にとっては部長であり……幼なじみ」



跡部「……そうか」



恵利華「ん……ここは……？」



和恵「あ、恵利華おはよー！ここは跡部の車」



恵利華「そう…景吾くんの……！？」



恵利華が状況に気づき、悲鳴を上げた。



芥川「和恵ちゃんもお姫様だっこしてあげようか～？」



和恵「うちお姫様じゃないからいい～」



恵利華「…ごめん、ありがとう、もう下ろして……」



跡部「フッ…疲れてるんだろ？もう少し寝てろ」



恵利華「だ、大丈夫だから」



芥川「じゃあ俺も俺もー」



和恵「ちょ、こらジロー！持たれるなって…！」



芥川「え―…」



跡部「(どうしたんだジローのやつ)…着いたぞ。」




『ガチャ…』



恵利華/和恵「「…え？」」



部屋に入ると樺地が泣いていた。



奈央「あははは！」



和恵「何事？」



向日「あはははは！！」



真由美「ふふふ…ははは！」



忍足「…………」



和恵「オッシー、心閉ざすなって！」



宍戸「閉ざしたくもなるだろこの状況ならな」