真由美「とーにーかーく！これで私達は恵利華達だけになっちゃったから…」



「｢｢絶対、優勝してね！/よ！｣｣」



チラッと跡部の様子をみる恵利華

思えば今日はあまり会話をしていない



綾小路「ゆ…侑く…」



忍足「ああ、薬か？医者の息子があないなモノに引っかかってたら世話ないわ。それより…」



真由美「椿ちゃん」



綾小路「真由美ちゃん…私…」



真由美「現実を受け入れられない時もあると思う。でも、今、貴女が生きてる事が現実なの」



綾小路「………。」



忍足「(俺は何年も椿ちゃんにかける言葉が見つからへんかった。真由美ちゃんは…)」



真由美「逃げないで…受け止めて？私達も、側にいるから」



綾小路「真由美ちゃん…」



『ガバッ』



勢いよく真由美に抱きついた椿。

目には大粒の涙



綾小路「ごめんなさいっ私、羨ましいかった…。誰かに必要とされていた貴女達がっ…」



奈央「可愛い顔に、涙は似合わないけぇ」



和恵「奈央、ウザイ」



向日「ははは！奈央、言われてるぜ！」



奈央「もう、和恵め～ッ！焼きもちなんて可愛いけぇ」



和恵「はぁ！？蹴り飛ばすぞ！」



鳳「和恵先輩、落ち着いて下さいっ」





恵利華「…忍足くん、真由美は昔ダブルスペアを亡くしてるの」



忍足「…っ」



恵利華「だからもう失いたくなかったのかもね。さっきの言葉は…」



忍足「昔、誰かに言われた台詞…か。それより姫さん、ありがとうな」



恵利華「私は真由美の為に…」



跡部「おい」



忍足「跡部そないに睨むなや。」



跡部「テメェらが、コソコソしてるからだろーが」



忍足「…俺、席外すさかい、2人でゆっくり話し」



恵利華「え…」
　

跡部「……恵利華」



恵利華「どうしたの？」



跡部「忍足が…好きなのかよ」



恵利華「どうして？」



きょとんとした様子で跡部をみる



跡部「あん？俺が聞いてるんだろうが」



恵利華「だからどうして、私が忍足くんを好きだって思ったの？」



跡部「………。」



恵利華「………。」




和恵「ど？あの2人…」



忍足「あかん、跡部が口下手な上に、姫さん天然や」



真由美「(恵利華って忍足くんが好きなの！？！？)」



日吉をふり回す真由美



日吉「痛いので離してください…そんな話、聞いた事ありませんよ」



和恵「あ、恵利華が動き出した…」



忍足「さ、帰る用意しよか」



和恵「あ！仁王、あの……」



『タタタタタタ…』



恵利華「…私は貴方のパートナーよ」



跡部「………。」



恵利華「貴方じゃないと、私のパートナーは務まらない。……これだけじゃダメ？」



跡部「恵利華…」



恵利華「それに恋愛の事なんて、今はまだ…『…チュッ』な……な！？」



口を抑え、目を見開き跡部をみる恵利華

跡部は対照的に口角を上げ、余裕綽々な表情だ



跡部「俺様を不安にさせたんだ。これくらいの代償はないとな」



恵利華「だからって！」



綾小路「ふふふ、仲がよろしいのね」



恵利華「椿さん…」



跡部「テメェ、恵利華に手を出したそうだな」



恵利華「ちょっと落ち着いて…どうしたの？」



綾小路「和恵さん達、お取り込み中みたいで…。お話があるので、これ私の携帯番号とアドレスです」



恵利華「わかった。渡しておくね」



綾小路「それに貴女は…」



恵利華が椿の口に人差し指を立てた。



恵利華「気がついたんなら、内緒にしておいて」