「ゲーム忍足・向日ペア1-0」



奈央「和恵」


和恵「アイアイサー！」



『タタタタタ……』



忍足「オーストラリアンフォーメーション…か」


1ゲームを取られた2人は予告通りのオーストラリアンフォーメーション



奈央「…ハッ！」


『パァァン』



『タタタタタ…』




向日「ハッタリだろっ、んな本見ただけで出来っこないって！」



和恵「ニッ」


『タタタタタ…』



向日が打つ前に移動する和恵



向日「こっちか！」



『パァァン』



奈央「残念っ」



『パシィィ』



忍足「岳人任せとき。ここやろ」



『パァァン』



和恵の足に引っ掻け回された向日をいつものポーカーフェイスでフォローする忍足



『タタタタタ……』



和恵「短距離は負けないもんねー」


『パァァン』



忍足「和恵ちゃんが後衛やて！？あ………せやミクスドで…」



「ゲーム奈央・和恵ペア1-1」



奈央「久々データ通り！イェーイ」



和恵「ほんと久々だよねー」



『パチンッ』



ハイタッチを交わす2人に、向日は悔しそうである。



忍足「……女の子には負けられへんなぁ…」


向日「ああ！！」
　




一方こちらは準レギュラーコート



「おいおい、マジで女の子が試合するのかよ…」

「てかあの女の子………」



「｢｢(超可愛い)｣｣」



真由美「………。」



ポンポンとボールをつき、集中力を高める真由美



天根「本気か？」



『パシィン！』



天根「っ！？」



真由美の強烈なサーブが炸裂した



真由美「女だからって……別に手加減なんてしなくていいから」



天根「(こ…怖い…)」



「おい、ダビデのやつ、震えてるぜ」



天根「なんか…怒ってるのか…？」



真由美「(ピクッ)」



「真由美先輩の冷酷非情テニスが始まった…！」



「でも今日はコートに入る前から機嫌悪かったような…」

「俺ら、何かしたかな」

「後で謝ろうぜ」




真由美「怒ってる……怒ってるわよ」



『ゴゴゴ…』と真由美の中で沸き上がる何か



真由美「(せっかく…せっかく恵利華に部活を任されたのに……計画通りだったのに……！！)」



「怒りが目に見えるぜ」

「土下座だ…！俺ら、土下座しようぜ」


「｢｢土下座だっ…！！｣｣」



氷帝部員の顔が青ざめる



真由美「手加減しないからね！」



ビシッと天根にラケットを突きつけた真由美は、再びサーブを放った。