「すみません！結構待たせちゃいましたね」



シアは入口で待っていたジェイドの後ろ姿を見つけると荒く吐息を吐きながら、振り絞って声を上げた



「ハァハァ⋯」



「まだ髪が濡れたままじゃないですか」



「あ、あぁ⋯すっかり忘れてました。でももうだいぶ乾いてるし、お団子にしたら分からないですよね」



そう言ってシアは髪をお団子ヘアに結び直す



「えっと⋯大事な話があるって⋯」



「えぇ。ここではなんですから場所を移しましょう。食事しながら話しますよ。そろそろお腹が空く頃でしょう？」



「あ⋯そ、そういえばそうですね。どこかいいお店知ってますか？」



「個室の落ち着いて話せる店があるのでそこに行きましょう」



「はい！楽しみです」



2人は夕暮れの中、話をする為、移動をすることにした



場所はさほど遠くなく、歩いて10分程度の場所にあった



「こんなところにお店あったんですね。ちょっと隠れ家っぽいお店でいいですね」



「他の人には内緒ですよ」



そうジェイドは言うと人差し指を立ててシーっという仕草をした



「はーい」



シアは楽しそうに返事を返し、お店の扉を開ける



扉を開けるとすぐ階段があった



ほんの数段の階段を下りると、薄暗く青や、紫、赤のライトで照らされたお洒落な店内に出た



「わぁ…こんなところあったんですね！すごい雰囲気いいですね。これは内緒にしたいのも分かります！」



「ここは静かで落ち着きがありますから、時々ですが、来るんですよ」



「へぇ～」



「今日は私ももう仕事はないですし、少しお酒でも飲みますか」



「わぁ♪いいんですか」



「明日に差し支えない程度ですよ。たっぷり始末書が残ってますからね」



「うぅ…わかってます」



「おや、今日は物分りがいいですね」



クスクス笑いながらジェイドはシアに少し待つように言うと、カウンターへ行き、バーテンダーと話していた



少ししてジェイドが戻ってくるとシアを奥の個室へ行くように促した



「何話してたんです?」



「食事とお酒の注文です。座って待ちましょう」


「はい♪」