「えぇ～!!あたしが市民プールのインストラクター!?」



「はい。ちょうど今、人手が足りないそうで、軍部にまで応援要請がきたんですよ」



「それで今、暇を持て余しているあたしにやれと?」



「そうだ。それと始末書の処理。これで十分だろ？」



「まぁ⋯あたしなんかでいいなら…」



おずおず返事を返すシアにジェイドは眼鏡を押し上げながら言う



「謹慎がいいならそれでも構わないのですが、正直なところ貴方がいないと仕事がまわりませんからねぇ」



ジェイドはピオニーを見ながら溜め息を吐いた



「始末書は多い、どこぞの陛下はしょっちゅういなくなる⋯一体誰がうちの皇帝陛下を捕まえてくれるんでしょう？」



「ぅﾞ」



ピオニーは低い悲鳴を上げる



「ぷっ⋯大佐がそんなに言うなら仕方ないですね。明日からの陛下探しは任せて下さい」



クスクス笑いながらシアは返事を返した



「ご、ごほん!俺のことはひとまずおいといてだな」



咳払いをしながらピオニーはシアに紙袋を手渡した



「陛下これは?」



「水着だ。悪いが今から行ってくれるか?」



「はい!任せて下さい」



「夕刻になりますが、私も様子を見に行きます」



「わかりました」



シアは元気よく返事をすると、市民プールへと急いだ