「はい注目!」



「ハンプティ中将!」



予想だにしない人物に審判が驚きで慌てふためく



「ハンプティ准尉、さっきの衝撃破はワザと外したんじゃなく、時間差でダメージがくるようにツボを狙ったね」



「⋯⋯⋯はい、その通りです」



シアは心の中で舌打ちをした



（ちっ、なんでこんなところに）



「人体にはツボがあってね、そこに僅かでも入れば、立ち上がることはまず不可能だ。ということだよ。審判くん」



「は!はい!ということだそうです！ハンプティ中将解説ありがとうございました!では、これより第3試合に入ります」



（また、余計なこと…）



シアは機嫌よさそうに笑うハンプティ中将を睨みながら、次の試合まで時間がある為、時間潰しにどこか行こうとした時



「あ、大佐!」



「准尉、お疲れ様でした。無駄もなく、素晴らしい戦術でしたね」



「そりゃあ、負けた時のこと考えたら怖いですから!では、あたしはこれで」



「おやおや、どちらまで?」



ジェイドは早々に去ろうとするシアの肩をつかみ、引き止め聞いた



すると、シアはど真面目な顔で、こう言った



「食事に」



「………試合前に食べるんですか?」



ジェイドは呆れ顔で額に手を当てた



「だって、お腹空いてたら負けちゃいますよ。負けたら大佐怖いですし、今回は大真面目にいくつもりなので」



それだけ言い残し、シアはまた背を向け、ジェイドと別れた



その後、ジェイドはピオニー陛下の元へと戻った



「おう、ジェイド!シア調子いいみたいだな」



「えぇ、燃費が悪いのを除けばですけどね」



これには、さすがのピオニーも首を傾げた



「まだ試合を控えてるにも関わらず、彼女は食堂に行きましたよ。お腹が空いてたら、勝てないそうです」



ジェイドは大袈裟に、手を広げて苦笑してみせた



「くっ…ハッハッハッハッハッハ～!くっくっくっ…さすがシアだ」



ピオニーは大笑いすると、どこか満足そうな表情をしていた