あの後、ロヴェル少佐とローランは予想通りお腹を空かせている第一師団の隊員達と合流し、食事場所へと向かった



場所は至ってシンプルな酒場



「よーし、みんな好きなとこに座れよ。今日はここ貸切だからな。大いに飲んで食って騒いでくれ！」



ロヴェル少佐のこの声を合図にわぁっと声があがる



「あと役職は最後支払いあるから残るように」



「分かってますよー少佐！それより早く飲みましょー」



一気に酒場内は盛り上がり騒がしくなった



シアの同期達は既にグループを作っているところもあったり、教育担当の隊員と飲んでる同期もいた



そんな中、シアは目立たない片隅にある椅子に座り、そんな賑やかな光景をまるで他人事のようにしてストローでドリンクを飲んで見ていた



するとそんなシアの元に1人の男が近づいてきた



「おーい！こんなところにいたのか！シアもこっちに来いよ」



それはビールの入ったジョッキを片手に持ったローランだった



「え…あ、いや。あたしはここでだいじょ…」



ここで大丈夫と言いたかったのに、言い切る前にローランはシアの手を取り、強引に引き、元いた席に引っ張ってゆく



「！？」



あまりにも急すぎてシアは言葉を失い、ローランにあれよあれよと引っ張られてゆく



そしてローランがいた席の隣に座らされた



「おぉ。待たせたな！こいつが俺の担当してる新人のシアだ。俺がいない時に困ってたら、よろしく頼む」



「おぉ！見てたぞ！ローランとなかなかいい勝負してた子だろ？」



「ローラン女の子の新人担当いいなー！あたしも女の子担当したかったー！てかめちゃ綺麗な子じゃん！」



「ほら！いっぱい食ってけよ！せっかくのタダ飯なんだ」



ローランの卓にいた先輩隊員達が興味津々にシアに声をかけてくるとシアは戸惑いながらなんとか返事を返す



「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯え、あ、よ⋯よろしく…お願いします」



「みんなアンタに興味津々だよ」



ローランの卓にいた女の隊員がシアの肩に手を置いて声をかけてくる



「？」



声には出してないが、何故？という顔をシアがすると女隊員はククッと笑い説明してやる



「ローランとあれだけやり合えるアンタの技術に皆がね。勿論ここにいるあたし達もそうだし、他の役職もアンタに目をつけてる奴だっているよ」