これはシア・ハンプティがマルクト軍第一師団に配属されたばかりの頃のお話になります



「では、新人諸君改めて入団おめでとう。君達と末永く一緒に任務ができるよう、我々第一師団の隊員一同全力を尽くそう」



入団式の翌日、早速各師団ごとに分かれ、改めて他の第一師団の隊員達に紹介がされた



その中にシア・ハンプティももちろんおり、第一師団長であるエドワード・ロヴェル少佐の話をぼんやりと聞いていた



（⋯⋯⋯ハァ⋯退屈⋯）



「では、長々とした挨拶はここまでにしてだな。新人諸君にはこれから指導隊員と暫くは共に訓練や任務を行ってもらう。1人ずつ付けるからな。名前を呼ばれた者から前に出てくれ」



ロヴェル少佐は指導隊員と新人隊員の名を交互に呼んでゆく



程なくしてシアも名を呼ばれる



「指導担当ローラン・メレク！続いてシア・ハンプティ」



「はいっ！」



「⋯⋯⋯はい」



「よろしくな。ローラン・メレクだ。階級は少尉」



「⋯⋯⋯あ、はい。メレク少尉⋯よろしくお願いします」



ローランは見た目は20代前半くらいに見え、シアとさほど変わらなそうであり、見るからに好青年と思える見目をしていた



だが、実際は年齢は20代後半でもうすぐで30歳を目前の男性だった



「暫くは新人達は訓練がメインになるからな！慣れてきたら下級の魔物の討伐って流れだな。あ、そうそうこれから長期一緒にペアを組むんだ。呼び方はファーストネームでいいか？」



「⋯⋯⋯そうですね。ファミリーネームで呼ばれるのはあまり好きではないので⋯それでいいです」



「⋯⋯⋯。よし！じゃあ、シアこれからよろしくな」



ローランは右手を差し出すとシアもおずおずと右手を差し出す



ローランは遠慮気味に差し出されるシアの手をギュッと握り握手を交わした



「よし、じゃあまずは自前の武器から決めないとな。軍から好きな武器を支給されるんだ。士官学校の時は何が得意だったんだ？」



「⋯⋯⋯剣⋯を主に使ってました。なので⋯同じで」



「分かった。じゃあ、それで申請しておくよ。あぁ、あと給金出たりすると貯めて自分で武器屋で購入するやつもいるからシアも無駄遣いしないで貯めておいた方がいいぞ」