翌朝、モリスは約束通り6時に朝食を持ってきてくれた



それをあっという間に平らげてから、シアはベットの上に散らかした服を見下ろして考え込んでいる様子



「⋯⋯⋯⋯⋯⋯うーん⋯」



どうやら着ていく服で悩んでいるシア



そんな事をしているうちに時間は刻々と過ぎていくのに気付き急いで着替えを済ませた



結局選んだのは、動きやすさ重視の服



太ももくらいの丈のスカートにオーバーニーソックスを履き、上はベアトップにジャケットを羽織った



着替えも完了し、完璧！と心の中で呟いて出かけようとしたが、何か思いだし、ハッとした表情をしてクローゼットを開き、ショートブーツを取り出す



そしてそのまま玄関へ向かうのかと思いきや、何故かベランダの扉を開き、シアはベランダから下の階を静かに見つめる



「この高さなら余裕、ね」



そう呟いて開いたベランダの扉をしっかり閉め、ベランダの柵に足を乗せ、ぴょんと軽々と飛び降りたのだ



私室は3階だが、軍人のシアにとってそのくらいなら難なく飛び降りれる高さ



無事着地すると持っていたブーツを履き、意気揚々とジェイドのいるカーティス家へ向かった



シアの家からカーティス家は少し離れている



馬車で向かうならさほど時間は要さないが、時間もまだ早朝の為、馬車の手配が難しかったのでシアは歩いてゆくことにしていた



徒歩だと30分、いや⋯40分はかかるかもしれない



だが、シアはそんなことは百も承知



久々の街並みを楽しみながら向かっていた




そんな事をしているうちにあっという間にジェイドの家の前までやってくるがここでシアはある事に気づく



「はっ！しまった⋯双子に見つからないようにとばかり考えてたら、こんな時間にお邪魔したら普通に失礼じゃない？多分朝食もこれからよね」



シアが到着した時刻は7:50




せめてあと2時間ほど時間を潰したいところではあり、シアは頭を抱えて蹲る



「うーんしまった⋯完全に失念してた」



「何がですか？」



「え、だから！到着時間ですよ！って大佐！」



「あんなところでしゃがみこんでたら目立ちますよ」