「んん⋯はぁーー朝かぁ⋯。あ痛たた⋯昨日は飲みすぎたなぁ⋯。でも⋯飲まなきゃ何となくメンタル持たなかったし」



シアはベットの枕に顔を埋め込む



あの夜、シアの返事の後、ジェイドは不機嫌になるでもなく、悲しそうにするでもなく、どこか余裕のあるような、思惑があるような不敵な笑みをシアに向けこう言った



『えぇ、構いませんよ。』



『え⋯⋯⋯』



『そういう回答という事は少なくとも、真剣に、そして前向きに考えてくれているという証拠です。数日でなくとも貴方が納得してくれる回答が出るまで待ちましょう』



『え⋯あ⋯い、いいんですか？』



『えぇ、そこまで心が狭いと思われてたのは心外です』



『え、いや、なんというか⋯そ、そうですね。ちょっと⋯ほんのちょっとそう思ってたかもしれません⋯』



『シア～？なにか言いましたか？』



『あ、い、いい⋯いいえ！なにも言ってません！』



『よろしい。では、ここは私が持ちますので、好きなだけ食べてください』



そんなほんとにいつも通りすぎる会話をし、その後も普通に食事をして、普通に宿舎まで帰ってきた



「はぁぁぁ～いつも通り過ぎで逆に怖いっつーの！」



ピピピピピ⋯



シアの枕元にある目覚ましが鳴り響くと、スイッチを軽く叩きそれを止め、シアは漸くその重たい身体を起こし、いつもの軍服に着替え始める



こうして、またいつもの日常が始まった