「でも…不思議…です。みんなレナスのそば…安心するって言ってる…です」



レナスの顔が苦々しそうに一瞬歪むがすぐにいつも通りに振る舞う



「⋯⋯うーん、アリエッタに昔からよく魔物貸してもらってたからじゃない。それにアリエッタが任務でいない時に留守番してる子達のお世話もしてたのよ！そりゃあ、最初はかなり警戒されたよ」



「そういえば確かに⋯です」



「⋯⋯⋯でしょ？」



「…………。レナス!何やってる。行くぞ」



「あ、ヤバ！アッシュが呼んでるからまたあとでね！」



アッシュに声をかけられレナスはアッシュの元へ向かおうとした時、再びアリエッタに呼ばれる



「レナス!」



アリエッタに呼び止められ、レナスは足を止めて振り返る



「なぁに?」



アリエッタは俯き、言いにくそうに口ごもっていると、見かねたレナスは優しく問いかける



「アリエッタ⋯⋯？どうしたの？」



「イオン様…アリエッタのこと、嫌いになったのかな…」



悲しげな表情でいつも抱いているぬいぐるみにアリエッタは顔を埋める



そんなアリエッタをレナスは悲しげに見つめながら言った



「………イオンは………導師イオンは…アリエッタのことを嫌いになんかなってないよ⋯。だって⋯⋯一番にアリエッタのことを想っていたもの」



レナスは悲しげに笑むとアリエッタは顔を上げてまだ不安げではあったが僅かに笑顔で答えた



「うん⋯レナス…ありがと…です」



「ううん…。じゃ、後でね?」



レナスは扉を開くと急いでアッシュを追った